当所記念5連覇睨む清水裕
SS班5名がそろい大激戦のV争いも、この大会では圧倒的な存在感を示しているのは地元の清水裕友だ。69周年大会で地元記念初Vを達成すると、その後は72周年大会まで怒涛の4連覇。同一記念4連覇は、現行制度の4日制記念となってからは誰も達成していなかった大記録。今シリーズはこの記録を更に伸ばすべく、いつも以上に気合が入る。強豪ぞろいで一筋縄では行きそうにないが、中四国勢の戦力が充実しているのは清水には追い風だ。盟友の松浦悠士をはじめとして、自力型は町田太我、太田竜馬、追い込み型には桑原大志、山下一輝。勝ち上がり戦から有利に戦えるはず。今年はウィナーズカップで連覇を飾ったものの、その後は今ひとつ物足りない成績だったが、寬仁親王牌では理事長杯で松浦を差してローズカップにコマを進めると、ローズカップは新田祐らを怒涛のまくりで飲み込んで3着。気分的にはすっきりしたはずで、好展開が巡ってくれば勝機は逃がすまい。対照的に今年の松浦は素晴らしい成績を残している。サマーナイトでは昨年に続き連覇を達成しているし、全日本選抜、ウィナーズカップ、オールスターはいずれも準V、親王牌でも決勝3着。G3では4Vを飾っている。獲得賞金ランキングは第2位。清水の引き立て役だけにはとどまらない。
強力な中四国勢を粉砕すれば郡司浩平だろう。最近の郡司は動きが鋭い。共同通信社杯を無傷の4連勝で制覇すると、10月熊本記念in久留米❶着。そつのないレース運びは相変わらずだし、スピードの切れは素晴らしいレベルだ。同県のガッツマーカー内藤秀久、最近は力強い走りを披露している渡邉雄太らと南関ラインを形成して勝機を見い出す。内藤は8月小田原記念の二次予選では、郡司のまくりに食い下がり2着に入っている。郡司が首位に躍り出る展開なら神奈川ワンツーは十分。
昨年は競輪祭で初タイトルをゲットし、初めてSS班となった吉田拓矢。今年はG3で3Vを達成しているし、親王牌でG1優参も果たした。ここのところ内に進路を取るレースが目立つのは気になるが、好位置キープに成功すれば好勝負に持ち込める。共同通信社杯で決勝に乗るなど、差し脚好調な神山拓弥が吉田を盛り立てる。
今年も高いレベルで成績をまとめている佐藤慎太郎。鋭い差し脚と的確なコース選択を遺憾なく発揮していて、獲得賞金ランキングは第4位に付けている。新山響平、永澤剛の青森コンビと連係してVを狙う。スピードには非凡なものがある新山。最近はやや末脚の甘さが目に付くのは気になるが、ラインはしっかりしているので、動向には注意しておきたい。