• 立川競輪場開設71周年記念鳳凰賞典レース1/4〜1/7

インサイドレポート・シリーズ総評

ピックアップ GⅢ 立川 01/04

 グランプリから中3日という強行ローテーションにもかかわらず、S級S班5人が参戦した23年最初の記念シリーズを制したのは新田祐大だった。新田の爆発的な踏み出しから、5車の南関勢を分断して4連勝の完全V。新田だからこその芸当でもあったが、その作戦を成し得たのは最内枠の1番車があったからこそ。スタートがすべてだったと言っても過言ではなかっただけに、あらためて車番の重要性が浮き彫りになった。とは言え、その1番車の権利をグランプリのチャンピオンジャージとして今年いっぱい獲得している脇本雄太は、その走りから、その恩恵に与ることはいまのところあまりなさそうだが…。

新山響平

新山響平

 新山響平は、S級S班として初めて臨んだ4日間のシリーズを➑着。野口裕史と激突した二次予選で敗退となったが、4走ともその評価が下がることのない内容だった。内容と同時に結果を求められるS級S班としての厳しさもあるが、ケレン味のない新山らしさを失わないでほしい。

 「セッティングの問題もあって、踏み出しは楽に踏み込める。ただ、(サドルの)ハナが下がっているので、(一度)フォームが崩れるとなかなか戻せない。それで今日(最終日)は少しハナの角度を上げました。まだしっくりこないけど、練習して煮詰めたい。SSになったんで(今シリーズは)無茶せず結果にこだわった走りをしようとした。けど、結果が出なかったんで、もうちょっと積極的に走りたいなっていうのがあります。いまは2月の全日本選抜に向けて追い込む時期なので、(次の1月19日からの大宮記念は)疲れをためてになるかもしれない。でも、その方が思いのほか、良かったりもするんで」

坂本貴史

坂本貴史

 弟デシ、新山のS級S班に強く感化されている1人でもある坂本貴史は、二次予選で新田を引っ張る先行策。「優勝を狙いにきているんで、捨てられるレースではなかった」と、シンガリを振り返った。3日目は藤根俊貴の番手で奮闘してシリーズを3連対。今年は勝負の年になりそうだ。

 「二次予選のあとも、新田さんからアドバイスをもらって得るものがあった。ゲームのようにやり直しがきくんであれば、菊池(岳仁)君を出させて、中団からまくれたかっていう思いもあります。競輪選手なので競輪をやらないと。(ラインの先頭でも、番手でも)ヨコもタテも超一流になれるように。チャンスがある地区にいますし、北は追い込み選手でめちゃくちゃ強い人がいっぱいいる。だから、自分は自力でG1を戦っている選手に入っていかないと」

外田心斗

外田心斗

 1年半ぶりにS級にカムバックした外田心斗は、久しぶりの9車立ての感覚をつかむように9着。シリーズ後半に成績を残して好配当を演出した。

 「順番が来たら先行するけど、僕の先行じゃ限界がある。感触は悪くないけど、A級から戻ってきて、いきなり9車立てでみんな強いんで面食らってるところもあります。最終日にしてやっとこさ逃げることができた。3日目と今日(最終日)は着にからめたけど、偶然の部分もある。毎回、しっかりとしたレースができるようにならないと。それでも昨日、今日のメンバーで着にからめたのは自信になる。器用じゃないので、自分の先行力ではS級で勝てない。A級では力任せに仕掛けてもいけたけど、S級では無理。だからなんでもできる選手になりたい。いまのままではA級とS級の行ったり来たりになる。力任せのレースから技術を身につけて、S級に定着することがいまの目標です」

林慶次郎

林慶次郎

 一次予選で北井佑季の先行をまくりで仕留めてあっと言わせた林慶次郎は、最終日の逃げ切りでシリーズ2勝目を挙げた。

 「(今シリーズは)いままで以上にいろんな戦い方ができて視野が広がった。可能性が広がりました。自分はもともと先行の脚じゃない。ダッシュ型なんで先行しかなかったら脚質的にキツい。なにか武器を1つでもっていうのがあります。反応も良かったし、調子はいい。次の小倉(1月20日から)はすごいメンバーですけど、(地元なので)しっかりと戦えるように」

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