• 和歌山競輪場開設73周年記念 和歌山グランプリ1/12〜1/15

インサイドレポート・シリーズ総評

ピックアップ GⅢ 和歌山 01/12

 脇本雄太と、古性優作が、初日特選、決勝と2度のワンツー。しかも、決勝は脇本が先行し、古性がアシストまで見せた。最強のタテと、最強のヨコが組んだこの2人には誰も太刀打ちできないのか。この後の豊橋記念、奈良記念と、両者は同配分が続き、今年最初のG1全日本選抜、そしてその先へと連係の精度を高めていく。先行、まくり、さらには古性-脇本の並びもあるのか…。最強タッグが、最強であり続けるために、お互いに進化を止めることはない。

貴志修己

貴志修己

 貴志修己は、初日に支部長の稲毛健太の前で駆けて1着に貢献。だが、自身は7着に沈んで勝ち上がりを逃した。稲毛が「練習とレースの差が激し過ぎる」と、厳しいコメントを残したのは、誰よりもその潜在能力を認めていることの裏付けでもある。後ろを引き出すだけで終わる選手では、決してない。

 「(最終日は)落ち着いて駆けられた。初日、2日目と失敗したので、自分のペースで駆けられればと思ってました。やっぱり初日は行かないといけないメンバーだったけど、その中で冷静さもないといけない。行くだけだったら、正直僕じゃなくてもいいので。準決で中西(大)さんが引っ張るレースをしていたけど、あれを中西さんにやらせてしまったのが…。あの役割を自分がやらないと。そこに行けるように、頑張っていきたい」

石井洋輝

石井洋輝

 時には先輩の後ろを回る場面もあった石井洋輝だが、前検日には「ちょっと今年は積極的に」とつぶやいた。2日目には地元勢に対して分断策にも出て、あらためてヨコの強さを示したが、あっと言わせたのは最終日。5番手から南潤に合わせて仕掛けて、末木浩二をあっさりとまくる。上り11秒2の好タイムを叩き出した。

 「近畿に合わせてまくろうとは思ってたけど、案外まくれちゃいましたね。今回はずっとセッティングをいじって、毎日変えながら走った。今日(最終日)もセッティングを変えてローラーで確かめながらやりました。今日が一番良かったですね。踏めていたし、道中も楽に追走できた。積極的にって思ってるし、自力ももっと使いたいんですけど、なかなか気持ちが付いてこない。もっと自信を持ってやっていければ」

石塚輪太郎

石塚輪太郎

 石塚輪太郎は「もう僕も若くない。記念を獲る、獲らないの気持ちでいる」と並々ならぬ気迫で地元記念に挑んだ。が、先輩の中西大の番手を回って挑んだ準決勝で失敗。悔しさを噛みしめてこう語った。

 「地元勢はみんな決勝を目指してやっていたと思うんですけど、昨日(準決勝)の自分は情けないの一言。最近はバック数も減っているし、今年はその辺を考えてやっていきたい。ラインのことを考えて。自分主体になっていたと思う。競輪の神様が、地元記念の決勝はまだ早いと教えてくれたんだと思う。この悔しさを常に思い浮かべて、また1年頑張りたいです」

山田英明

山田英明

 山田英明は落車による大怪我の影響で、苦しい昨年を過ごした。今シリーズは、一次予選で力の違いを示すも、二次予選で敗退。後半の2日間は九州の後輩の番手回りから2勝を挙げてシリーズを締めた。最終日は武田豊樹との併走でバチバチにやり合い、番手を守り切った上で1着を手繰り寄せた。若手の成長を見守りながら、自分自身も復活へ。今年も山田の激しい挑戦は続く。

 「(最終日に前を任せた)阿部(将大)君には、もし番手に入ってもそこから仕掛けないと駄目だってことは事前に話していました。そういう選手になっていって欲しいので。自分は武田さんと気持ちを入れて併走できた。二次予選は組み立てが甘かったなっていうのはあるけど、そこまで悪い感じではなかった。後半は後輩たちに助けられましたね。頼もしかったです。まずは調子を戻すことですね。戻さないと、今のままでは戦える脚ではないので」

ページトップへ