3億円レーサー脇本雄
グランプリ2022を怒涛のまくりで制覇した脇本雄太。22年はダービー、オールスターでも優勝していて、優勝回数は圧巻の12回。獲得賞金は輪界で初めて3億円を突破し、第一人者の地位を不動のものにした。高いトップスピードに加えて航続距離が長く、加速力も桁違いとなれば、別線を圧倒し続けているのは当然か。グランプリチャンプユニフォームを身にまとっての新年初戦となれば、優勝を譲る訳にはいかない。強豪ぞろいのシリーズでも中心視は順当だ。タッグを組む古性優作も22年は充実していた。全日本選抜、高松宮記念杯とG1で2V。いずれも脇本が不在だっただけに、地力強化しているのは疑う余地がない。グランプリは4分の1輪及ばなかったものの、脇本にきっちり続いて近畿ワンツーを決めている。ここも脇本の後ろを死守して逆転を狙う。
22年は寬仁親王牌で優勝。井上茂、滝澤正、神山雄に続きグランドスラマーの称号を得た新田祐大も有力な優勝候補だ。グランプリは積極的に駆けた新山響の番手から自力に転じるも、脇本のまくりに飲み込まれただけに、ここはリベンジに燃えているはず。脇本を後方に追いやっての先まくりの展開に持ち込めれば、首位に躍り出る場面もありそうだ。守澤太志が新田を盛り立てる。22年の滑り出しは調子が良くなかったが、ダービー❸着あたりから動きに鋭さが甦った。その後もオールスター、寬仁親王牌、競輪祭で決勝進出を果たしていて、寬仁親王牌はまくりに転じ新田に4分の1輪まで肉薄するあわやの準V。新田に勢いをもらっての突き抜けは考えておきたい。
もう一人のSS班である松浦悠士の単にも魅力を感じる。22年はG1での優勝こそなかったものの、サマーナイトを連覇し、オールスター準V、寬仁親王牌は決勝3着。G3の優勝は5回もあり、年間を通して安定した成績を残している。グランプリは結果は5着も、北日本勢の分断を図る闘志を見せた。持ち味である強気の自在戦が奏功なら主役を演じてもおかしくない。
先陣を受け持つ眞杉匠を武田豊樹、諸橋愛が援護する関東勢も忘れてはならない。眞杉の自力攻撃は迫力を増した感があり、とにかく最終ホーム、バックの先制回数が多いし、22年はG3で2V、F1戦で3Vと結果も出している。武田、諸橋と百戦錬磨のベテランの援護を盾に主導権を握り、脇本をどこまで苦しめられるか注目される。武田は61、63、65周年で優勝していて、この大会は思い入れ深い。
地元勢は68周年大会の覇者である東口善朋をはじめとして、稲毛健太、石塚輪太郎など駒数はそろっている。勝ち上がり戦は脇本、古性との連係から上位進出を目指す。果たして決勝に何名送り込めるか。