ピックアップ GⅢ 大垣 03/04
前期はA級に降級してしまった寺沼拓摩が、今期から2度目のS級に挑戦中。自身3回目となる記念開催で、初めて一次予選を突破。最終日にも鋭くまくりで点数以上の存在感を示した。
「久々の記念で9車立てだったので。7車立てとは全然流れが違ったんですけど、初日をクリアできたのは良かったです。F1戦でも勝ち上がれていないので、まだまだ力が足りないとは思うんですけど。自分はパワーがないから寒い時期は苦手ですね。でもだんだん暖かくなってきましたし、最終日はバンクも軽かったです。自分は地脚タイプじゃないのでカマシ、まくりの方が得意ですけど、先行基本に戦っていきたいと思っていので」
初日に連係した芦澤辰弘が「予想以上にダッシュが良くてビックリしました」と言えば、最終日に連係した天田裕輝は「正直、抜けないかと思った」と舌を巻いた。まだまだ粗削りながら自慢のスピードは点数以上で、今後の活躍に期待したい。
昨年11月の小田原F1を優勝した時で113点台の大槻寛徳の競走得点は106点台まで大幅ダウン。「ここ3年で一番悪いかも」も復調の兆しをようやくつかんだ様子。前回の全日本選抜でも苦戦を強いられたが、今シリーズもまさか一次予選敗退となったが、残りの3日間は確定板入りを果たした。
「正直なところ去年の高松記念くらいからこのままじゃヤバいなっていう感覚があって。F1戦では誤魔化せてもGレースじゃ厳しいですよね」
さらなる高みを目指して試してみたことが裏目に出てしまったが、ようやく原因が見つかった様子。
「最近の若い子たちがやっているハンドルを下げて姿勢を低くするフォームにしようと思ってやっていたんですけど、全然最後に脚が残っている感じがしなくて…。毎日セッティングをいじっていたんですけど、最終日に思い切ってハンドルの高さを上げたら4日間の中で一番良かった。自分にはあっていなかったみたいですね。このまま終わっていきたくないし、帰ってから調整してウィナーズカップまでには少しでも上積みできるように」
昨年に続き連続で2度目の地元、大垣記念。昨年は二次予選で敗れてしまった橋本優己は、「今年は決勝に乗りたい」と目標を掲げて挑んだがシリーズ。結果的に準決勝は先行して9着に大敗。決勝には届かなかったが、いつも以上に先行に対しての強い意欲を感じた。
「決勝に乗れなくて悔しいですけど、それが現状の力なので。調子は戻ってきていたけど、もっとレベルを上げていかないと。最終日はバックを取って押し切るレースがしたかったですね。着は良くても内容的には悔しいレースでした。6月にまた地元記念がありますし、来年は地元で全日本選抜競輪があるので。やっぱりG1で勝ち上がっていくためにはまくりだけじゃ通用しないので。先行でも強いところを見せていければ、相手にとっても脅威になれると思いますし、G1で戦うために戦法のレパートリーを増やしていきたい」
吉田有希は全日本選抜から中4日で迎えたシリーズであったが、準決勝で敗退。吉田〝らしい〟力強さが影を潜めていた。
「G1直後の疲れもあったと思うんですけど、今回は気持ちの面の弱さだったり、焦りが出てしまいましたね。着も結果もパッとしなかったです」
消化不良に終わってしまったG1の悪い流れを断ち切ることができず、今シリーズも未勝利のままシリーズを終える結果に課題を掲げる。
「長い距離を踏めるのが自分の強みだと思うんですけど、最近は手の内がバレてしまっていて…。先行できないときにどうするか。そこも考えないと。今回はいつものみたいに踏み切れる感じがなかったし、次のウィナーズカップまでに調子を上げていきたいです」
同期の犬伏湧也の優勝で幕を閉じたシリーズで、刺激を受けていないはずはない。次走のウィナーズカップまでには立て直しを図る。