ピックアップ GⅢ 小田原 04/13
春の嵐のような強風が吹き荒れた最終日。先行屋泣かせのバンクコンディションを逆に味方につけた深谷知広が別線をクギづけにした決勝は、郡司浩平が4度目の小田原記念制覇。2段駆けの番手まくりでVの郡司だったが、別線にとっては3段駆けに匹敵する深谷の掛かり。地元勢にとっては“百人力”の深谷の先行だった。
北井佑季は昨年8月の当所記念と同様に、準決の壁に阻まれて着。飯野祐太に押さえられた準決では、飛び付きで守澤太志と併走。結果的には眞杉匠に絶好の展開をメイクする形にはなったが、S班の守澤の胸を借りて1周以上も競りを演じた。
「結果的には眞杉君にスコーンと行かれた。新田(祐大)さんや守澤さん、強い人たちだからこそ、引かないっていう思いがある。常に積極的なレースをしていきたいっていうのがあるんですけど、昨日(準決)は風を切ることができなくて、結果がどうあれ、位置にこだわることも必要だなと。上で戦って行くには、そういう技術も必要だと感じました。次の取手(24日から)は師匠(高木隆弘)と同じ開催なので、ご指導をいただきながらやっていきたいです。(平塚の)ダービーに向けて、しっかり少しずつ準備はできていると思います」
16年デビューからとんとん拍子でS級まで上がってこられるかと思われた清水一幸だったが、今期が初のS級。36歳と年を重ねて、戦法もチェンジしながらようやくここまでたどり着いた。
「デビューした時は先行で認められないとっていう気持ちがあった。それで自分の脚質とは違うことをやって、成績が上がるのも遅くなりましたね。デビューしてすぐは9車立てだったんですけど、それから(S級になるまで)9車立ては走ってない。でも、9車立ての方がチャンスはありますね。(S級には)ようやく慣れてきました。毎レース、スピードの上がり方、もう一段階のギアの上がり方だったりみんなすごいけど、やっとなじんできたかなと。今回はたまたま展開が良かったし、後ろを回らせてもらったのもあります。しっかりとヨコの動きができるようにならないと」
2月の伊東、向日町で連続落車に見舞われた中田雄喜は、その後は精彩を欠いた。今シリーズも着。最終日は一度は坂本周作のまくりにおいていかれたもののリカバリーの白星。原因はなんなのか。
「感覚があんまり良くないですね。伊東、向日町で落車して、エースフレームがダメになった。ウィナーズカップではそれを持っていって乗ったんですけど、フレームが歪んでいてやっぱりダメでした。それで換えたんですけど、前回の玉野と今回使っているフレームはイマイチで…。今回もセッティングをいじって毎日試行錯誤してはいた。体の方はメンテナンスを結構してバランスを出してもらった。練習での数値も出ているんで大丈夫だと思うんですけど。新フレームが5月の中旬くらいにはできると思うんで、それまでほかのフレームに乗ってみたりしてなんとしないと」
今期、S級に初めて上がってきた木村佑来は、今シリーズが2度目のG3。最終日に逃げ切りで9車立て初の勝ち星を飾って、次回の函館F1(4月27日から)に弾みをつけた。
「(最終日は)もうちょっと早くうまく叩ければ良かった。タイミングが合わなかったですね。長い距離をモガいてキツかったけど、出切れる感じもあった。キツいけど、ここで出切れればと思って踏みました。出切ってからも全開で、なんとか1着で良かった。S級に上がって今回で2度目の1着ですけど、積極的に仕掛けて押し切れたんで良かった。(S級で)自分が前に出てからの踏み方だったり、モガき合いでどこまで残れるかってどうかっていうのが課題だと思います。調子を落としていたんで、戻ってきたかなっていうのはあります」