ピックアップ GⅢ 高知 04/06
各機動型が500バンクに対応できた走りをできているかどうかを見抜けるかが、車券推理の大きなカギを握っていた。準決勝で脇本雄太を相手に逃げ切った町田太我の走りは衝撃的だった。町田の上がりタイム14秒3に対して、脇本の上がりタイムは13秒5。脇本の「いつも通りの走りをして届かなかった」のコメント通り、タイムだけ見れば脇本がいつも通りまくって勝っていてもおかしくない。500バンクのツボを心得た、町田の技術の勝利だった。
最終日に行われた『ガールズフレッシュクイーン』は、122期の小泉夢菜が優勝。山口真未の上をまくり切れなかったところから、番手に入り直してもう一度差し返す離れ業は、何度も踏み直せる地脚があってなせたこと。今度は上位クラスで、力勝負で勝ち切る姿を見たい。
「(山口)真未さんと一緒の競走のときは合われさてしまっているので、今日は合わされないようにって思ったんですけど合わされてしまって。でも番手にうまくハマれて休めたので。追い込みとか差しは得意なのでいい展開になったと思います。ちょっとずつ脚を付けて、大きい大会に出たいですしG1に出られる選手になりたい。全体的にトップに劣っているので、底上げをしていきたいのと、今年度からは先行も含めて自力を出していきたい。調子が良い時は、もっと自力を出していこうって思ってます」
川越勇星は初日に中団を奪われて大敗。川越にとって位置を取ってからのまくりは生命線だ。2日目はその反省を生かして巧みな立ち回りから1勝を挙げた。セッティングを試行錯誤しながら、一歩ずつ成長していく。
「初日はなんで中団で踏み遅れたのか。自分で考えても全然分からなくて、先輩たちにアドバイスをもらったんですよ。今回はハンガーを下げてみてるんですけど、それだとスピードを緩めたところからもう一度立ち上げるのがきつい。結局初日は緩めちゃいけないところで緩めてたのが原因です。このセッティングは良いと思うし、そこはいじらずに自分の乗り方をセッティングに合わせていきたい」
一戸康宏は今節2度の番手回り。準決では宿口陽一の前で、関東ラインの番手を任された。優出こそ逃したが、最終日はもう一度巡ってきた番手回りのチャンスを生かして2着。突っ張り先行に出た蕗澤鴻太郎の番手で、稲川翔のまくりを止めた。
「もう蕗澤君が気持ちの入ったレースをしてくれたんで、自分も気持ちを入れて走ってました。前を取ったら突っ張りって言ってて、500でこの風の中で本当に?と思ったら本当に頑張ってくれて。あれだけ行ってくれて、自分も頑張りに応えたくて止めに行った。今回は2回自力で2回番手回り。関東の後輩たちが出てきて、番手を回ることも多くなると思う。難しさもあるけど、こうやって頑張ってくれた時に自分も何かできるように勉強していきたい」
ナショナルチーム所属の太田海也は、まだまだ競輪を勉強中。2日目、準決は流れに沿ったレースで主導権を奪ったが、1着だった初日と最終日はどちらもまくり。まくりで勝つだけが競輪ではないと、太田も十分意識している。
「玉野記念から、前(の動き)に乗ってすかさず叩くっていうところを課題としてやっているんですけど、(最終日は)ホームで1番(川口聖二)が叩いてくれるかなと思ってしまって車間を詰め過ぎてしまった。競輪はいろんなセオリーがあって、ワンパターンじゃない。そこは難しいけど、難しい分、面白い。もともと何もできないところから成長してはいるけど、できたことがまたできなくなったり、一つ成長して一つ失敗しての繰り返しでもある。同じミスはしないようにしたい。(新フレームは)まだまだ手探りの状態ではあるんですけど、4日目にして気付けたところもあった。(この後は)松山が入ってます。同期の中野慎詞さんもいて、初の同期対決もあると思う。今はまず松山に向けてです」