脇本雄の底力を信頼
今年は1月和歌山記念、同月豊橋記念を8連勝。最高のスタートダッシュを決めた脇本雄太だが、2月奈良記念の2日目から急性腰痛症のため欠場を余儀なくされた。その後の成績は全日本選抜➍着、ウィナーズカップ❷着。いずれも決勝にコマを進めたものの、連勝街道を驀進していた頃のような脚勢ではなかったし、ウィナーズカップの決勝は古性優に前を任せている。体調には一抹の不安が残るものの、昨年は輪界初の3億円レーサーに輝いた脇本に本命以外の印は付けられない。底力を信頼して中心視した。レース巧者の稲川翔が脇本を盛り立てる。
昨年は寬仁親王牌を制し、輪界4人目となるグランドスラマーの称号を獲得した新田祐大。今年は1月立川記念で完全Vを飾ると、その後もグレードを問わず決勝を外していない。ワールドクラスのスピードを遺憾なく発揮している。しかしながら、決勝では大きな数字が続いているだけに、そろそろ決勝で結果を出したいところ。佐藤慎太郎、山崎芳仁ら気心の知れた同県勢と連係し、打倒脇本に闘志を燃やす。
総合力でリードしているのは中四国勢。松浦悠士、町田太我、太田海也の中国勢に犬伏湧也、原田研太朗の徳島コンビと動ける選手がズラリとそろっている。大将格はSS班の松浦だ。今年はなかなか調子が上がらなかったが、3月松山記念は着とまとめると、ウィナーズカップでは大会2V目をゲット。決勝は古性、脇本の近畿勢の動きに乗ると、3コーナーから絶妙のコース選択で首位に躍り出た。好調時のような躍動感が戻った印象があるので、主役を演じても不思議ではない。注目株は犬伏湧也だ。デビュー当初から注目を集めていた快速レーサーで、最近は自力攻撃に一段と磨きがかかった。全日本選抜で着と3勝をあげると、3月大垣記念では、単騎ながら豪快なカマシを決めてG3初Vを達成。仕掛けがツボにはまったとはいえ、2着の古性以下を5車身千切り、上がりタイム10秒8は特筆もの。好機に仕掛けて主導権を握れば、別線を沈黙させる可能性も大いにあろう。
関東勢も好勝負が期待できる。平原康多、宿口陽一の埼玉コンビに佐々木悠葵とそろっている。平原はウイナーズカップ3171着。毘沙門天賞を制したものの、準決は落車(再入)のアクシデントに見舞われた。だが、最終日は目標の森田優は行けずも、最終2コーナーからまくって勝ち星をゲットしていて、落車の影響は感じられなかった。チャンスが巡ってくればものにできる状態にある。宿口は3月高松の初日特選で落車し、2日目から欠場。体調には一抹の不安が残る。佐々木はウィナーズカップ着の動きは力強かった。関東ラインの先頭を任されれば強気に攻める。