完全Ｖを達成した脇本雄太の強さが際立っていたシリーズ。初日特選ではＳ班５名が集結した激戦を制し、二次予選ではバンクレコードタイ記録の上がりタイム10秒7を計上。次節のダービーへ弾みをつけた。

　荒井崇博が今年から長崎籍となり、武雄といえば、山田兄弟の顔を真っ先に思い浮かべる。兄の英明は準決勝で敗退したものの、二次予選はＳ班の松浦悠士を交わして１着。最終日も１着で締めくくり存在感を出した。

　「悔しい思いが残るが焦っても仕方ないので。この先、しっかりと狙っていけるように。収穫もある開催になったことも実感している。足りない所は見えているし、その辺を補えば、カバーできればもう少し戦えるのかなと。焦ってもしょうがないですから。最近の成績が良いのは九州の後輩のおかげ。後ろを回ることも多くなってきて、追い込みは奥が深いですね。脚だけではない部分がありますから。Ｓ班の松浦君とも連係を差せてもらって、そういう人に信頼してもらえる走りができるとプラスになると思う」

　九州の若手機動型の活躍も光った。伊藤颯馬は一次予選が山田英明、二次予選が山田庸平、準決勝が山田英明と、3日間、山田兄弟との連係になった。地元の中心選手と連係することは、期待をされていることを表している。

　「直前は武雄でも練習をさせてもらって仕上がっていた。調子は良かったのに、昨日（準決勝）が悔しかった。（新山響平が相手で）どうにもならなかったですね。突っ張られた後も、行ったんですけど。（連日、山田兄弟との連係で）日に日に緊張感はなくなっていったけど、昨日（準決勝）が（山田）英明さんに申し訳なかったなって。来年も武雄記念を走りたいと思いました。Ｆ１の優勝は、今まで２回。記念もいつかは獲りたいけど、直近の目標は110点まで乗せたいですね。今がマックスの調子。これを維持したままダービーで頑張りたい」

　久米康平は直前の四日市でまくり３連発の完全優勝。今節は二次予選で新山響平の力の前に敗れたが近況好調の要因と今後の課題を語った。

　「ウィナーズカップできつい展開になった時に、自転車につぶされそうになる感覚になった。そうなると、もうなんともできない。みんなに意見を聞いたり、同期の古性（優作）さんの自転車に乗らせてもらったりして、乗りやすかったりしたので、次の玉野からハンドルを１センチ上げたんです。そのあとの四日市でも0.5センチ上げて、それが良かった。今回も自転車はいいけど、体が張っている感じがあった。でもそれはうまく使えていることなので、前向きに考えたい。今後はそこのケアの部分を考えていかないと。体が動いていれば、もっとスピードが出ると思うし、次の佐世保、その次に函館記念がある。函館はオグさん（小倉竜二）とか犬伏（湧也）もいるし、楽しみな開催です」

　河合佑弥に復調の気配がある。デビューした頃や、ヤンググランプリに出場した時の勢いを失ってしまっていたが、今節は１の成績で準決勝まで進出。最終日も単騎のまくりで2着に食い込んだ。

　「前回は初日に飛んでしまったが、２勝できたし感覚をつかみつつある。２月の松戸から眞杉（匠）のフレームを借りて、坂井（洋）からは感覚的なことも聞いて、そこに今まで自分がやってきたことが積み重なって、良くなり始めています。（今回は）日を追うごとに進むポイントがわかってきたのは良かった。ムラがあるので、安定させたいですね。近い所の目標ですか？　Ｓ級１班の点数を取ることですね」