脇本雄が底力を発揮
全日本選抜➍着、ウィナーズカップ❷着。最近の脇本雄太は、1月和歌山記念、同月豊橋記念を8連勝した頃の脚勢ではない。持病の腰痛の影響で、コンディションを整えるのに苦心している印象だ。4月高知記念は着。初日特選は豪快なまくりで別線をねじ伏せると、二次予選は最終ホーム線で7番手から仕掛けて前団を飲み込み、上がりタイムは圧巻の13秒5をマークした。だが、準決は町田太に逃げ切りを許して決勝を外している。まだ本調子ではないものの、トップスピード、航続距離、加速力と3拍子そろった脚力は輪界トップ。たとえ8割程度の調子でも自力攻撃で優勝をものにしよう。東口善朋が食い下がり近畿ワンツーを目指す。
打倒脇本の一番手は松浦悠士だ。この大会は好相性で、70、71周年を連覇した実績がある。今年の滑り出しはあまり調子が上がらなかったが、ウィナーズカップで大会2V目をゲットすると、その後は3月玉野記念❷着、4月高知記念❷着と成績がまとまってきた。動きに躍動感が増してきたし、余裕も感じられるので、71周年以来となる大会3V目をゲットする場面も十分。
戦力が充実している北日本勢を重視する手もある。新山響平、佐藤慎太郎のSS班に小松崎大地、中野慎詞と駒数豊富。今年は一息不足の場所が続いていた新山だが、ウィナーズカップでは準決1着で決勝に乗ると、4月四日市G3は4日間最終バックを奪取して➍着。機動力を遺憾なく発揮するレースが増えてきた。佐藤はベテランらしく、相変わらず大崩れが少ない。注目株は中野だ。ナショナルチームに選出されているだけに、スピードには素晴らしいものがある。3月小田原の最終日に落車していて、体調には大いに不安があるが、調子に問題がないようなら大暴れも。
関東勢も好勝負が期待できる。大将格の平原康多をはじめとして、吉田拓矢、神山拓弥、久木原洋、木暮安由ら実力者がそろう。今年はまだ優勝には手が届いていない平原ながら、ウィナーズカップでは毘沙門天賞で勝ち星をゲットするなど、動きそのものは悪くない。昨年に続き大会連覇を達成しても不思議ではない。吉田は1月名古屋、2月小倉で連続V。3月立川❸着もまずまずだった。昨年はG3で3Vの実績があるだけに怖い一人だ。
地元勢では英明、庸平の山田兄弟に期待がかかる。68周年大会の覇者である山田英。全日本選抜の一次予選では反応良く攻めてまくりで勝つと、3月は佐世保、福井を連覇していて、徐々に上向いてきた感がある。山田庸は申し分ない近況だ。3月松山記念で優勝を飾ると、ウィナーズカップ➍着と決勝進出、3月佐世保は3連勝。主役を演じられる状態にある。