ピックアップ FⅡ 富山 05/27
G1とは違う全プロにつきということもあっただろうが、5人が勝ち上がった「スーパープロピストレーサー賞」の近畿勢は、2つに分かれた。「(脇本雄太との別線勝負は)楽しみしかない」と、言っていた古性優作がラインを上位独占に導くまくりで優勝。誰よりも脇本の走りを熟知している古性が、地元の高松宮記念杯連覇へ加速をつけた。今年から6日日制になった高松宮記念杯だが、東西対抗の勝ち上がりのシステムは変わらない。今シリーズ同様に近畿勢が大挙勝ち上がることも、当然ながら予想される。その時、はたして今回のような別線があるのか。その動向を注視したい。
20、21年に「スーパープロピストレーサー賞」を連覇している松浦悠士。単騎の今年は、最終ホーム手前から奇襲の3番手まくり。前には2段駆けも可能な北日本コンビ、そして真後ろには古性優作。そのなかで優勝を逆算して、一撃にかけた。4着と結果には結びつかなかったが、この大立ち回りをマネできる選手はそうそうはいない。
「昨日(初日)の反省をふまえてでした。今日は新田(祐大)さんの後ろから先に仕掛けるか、新田さんのところを奪うかの2択しかなかった。(古性に)肩を引っかけられればおもしろかったけど、避けられてしまった。動けていただけにかなり悔しい」
目標の岩本俊介が不発も、そこからの伸びが際立っていた和田健太郎の最終日。例によって慎重なコメントに終始したものの、その雰囲気からは順調さがうかがえた。
「(最終日は)最近のなかではいい感じで伸びた。自転車は前回(松戸)から新車でセッティングはいじっているけど、今回もその自転車できました。あれが7、8番手からあそこまで突っ込んでこられたらって(自信になるかなって)いうのはある。グランプリを獲った時も、自分では手ごたえっていうのはなかったんで。でも、いまの状態はまずまずかなと思います」
逃げ、まくりでシリーズを連勝の松井宏佑だが、「今日は内容が…」と、嘉永泰斗と中団でもつれて、まくりにまわった最終日を反省。それでも2日間の動きは上々だった。
「(最終日は)ああいう展開になってしまったんで、行けるところですぐに行ければと。(前団の)山を乗り越えて、いいスピードが出てましたね。悪くないです。あとは上積みができるように。(昨年)ナショナルチームをやめてから、本格的なウエートトレーニングはやってないので、(次の高松宮記念杯まで)それを入れつつやていきたい」
初日は単騎を選択した佐藤友和は、最終日に菅田壱道とタッグ。その菅田が内に包まれると、まくりを繰り出して2着に入った。
「(最終日は)難しい判断でした。(菅田)壱道は前々に攻めてくれるし、(コースが)空けば出ていくだろうから付いて行かなきゃと。ただ、(最終)バックで空かなかったんで、自分で外をまくってみました。久々に山をのぼった。踏み切れたのは自信になりますね。自力を出すような練習はしていません。ただ、1人でやることがほとんどなんで、そこで風を受けているのがいいのかもしれない」