ピックアップ GⅢ 久留米 06/24
準決終了後に脇本雄太は「相手が厳しい」と話した。初日特選の結果がもちろん影響したのだろうが、決勝の2車単一番人気は新田祐大-成田和也の北日本勢。ファンも、脇本自身も、大きな変化を感じ取っている。
初日こそ魅せ場がなかった林昌幸だが、徐々に感じをつかむと圧巻だったのは最終日。同型の酒井雄多や、取鳥雄吾を完璧に封じて約2周を踏み切って見事に逃げ切った。
「みなさんどこからでも来れる選手なんで、カマシに来れないようにジャンからほぼ全開でした。これからも先行でやっていきたいし、このメンバーで逃げ切れたのは自信になります。脚が初日から悪くて、アップで踏み方を修正したんです。4月の松山(F1)で太田海也さんとみんなで話してて、その時にどういう風に踏んでるのかを聞いたんです。VTRを見て、フォームを真似してから良くなりました」
二次予選敗退だった小原太樹だが、仕上がりの良さは連日目を引いていた。昨年は競輪祭決勝に乗った実力者。追い込みとしての地位を確固たるものとして、層の厚い南関で頭一つ突き抜けたい。
「(最終日は)松岡(辰泰)君も野田(源一)さんも内外来てましたけど、あそこは譲れないですし、北井(佑季)の後ろは死守しようと思ってしのげてよかったです。脚自体は仕上がってましたね。十分戦えるデキだったと思います。あとは、展開と自分の組み立て。追い込みなんで前次第になるときはありますけど、展開が向かなかった時にどこまで突っ込めるか。一瞬のコースの判断とか、そういう所も磨いていきたい」
直前の小倉F1で特進を果たした後藤大輝はS級デビュー戦が地元記念だった。準決まで勝ち上がると、脇本を相手にあわやの先行策で猛アピール。最終日も北津留翼とワンツーを決めて、強烈に名前を売った。
「最終日でしたし、良いところを見せて終わりたかった。地元記念を走れただけでも嬉しかった。名前の売れてる人と走れて、あっという間の4日間でした。先行でのペース配分とかは勉強できた。自分の中でも成長できたと思う。7車立てになってもそれを出したいですね」
最終日に行われたレインボーカップチャレンジファイナル。昼田達哉は岸田剛に4分の1車輪届かず2着だった。デビュー直後はかなり苦労した印象だったが、最終的には同期対決で2着に入って特班を決めた。まだまだこれから。伸びしろはたっぷりとある。
「(仕掛けてからは)もう何も覚えてなくて、ただただ前を抜くことだけを考えていました。堀(航輝)さんが止まったのは分かって、そこを越えれば岸田とゴール勝負だなって。かなり1着を意識したし、悔しかった。でも、同期はスピードのある人ばっかりなので、前団を乗り越えられたのは自信になる。それと、あれで岸田を抜けないと上には行けないんだなって。自分は飛び級で上がろうとかっていうのは考えてない。ちょっとずつ上がっていければ」