脇本雄と新田祐が激突
2月奈良記念の2日目から急性腰痛症のために欠場した後は、取りこぼしも散見する脇本雄太。しかしながら、4月武雄記念では4連勝を達成。連日に渡り警戒網を敷かれてまくりに回されたが、ワールドクラスのスピードにものを言わせて別線をねじ伏せた。ダービーの準決では、上がり10秒7の好タイムで逃げ切り、後続の古性優を寄せ付けなかったし、富山全プロ記念の初日優秀でも、上がり9秒フラの超速まくりで新山響平の逃げをあっさり飲み込んだ。持病である腰痛の影響で、万全の体調は望みにくいようだが、気持ちを強く持って臨めれば主役は譲るまい。東口善朋が脇本をマークする。脇本が先行策なら食い下がっての2着は十分だが、警戒されてまくりに構えざるを得ない可能性が高いだけに、続くのは厳しいか。
新田祐大、新山のSS班に成田和也と北日本勢は戦力が整っている。グランドスラマーの称号を得た新田は、自慢の快速は相変わらずだし、位置取りにも意欲を見せている。成績は安定していて、全日本選抜、ウィナーズカップはいずれも決勝進出。G3では1月立川記念、4月高知記念で優勝をゲットしているし、5月函館記念準Vの動きもまずまずだった。新山が先手を奪えば、展開有利に抜け出す場面も。その新山も調子は上向き。今年の滑り出しは今ひとつだったが、ウィナーズカップで優参を果たすと、その後は4月四日市G3は➍着、同月武雄記念❷着と好成績。ダービー❻着の走りも力強かった。ベテランの成田は相変わらず高いレベルで成績をまとめている。北日本ラインがレースを掌握なら連に浮上してきそうだ。
地元勢のエースは北津留翼だ。昨年は6Vを含む48勝をあげていて、快速を活かした自力攻撃の破壊力には素晴らしいものがある。1月小倉で先頭員早期追い抜きによる失格を喫したが、復帰戦の6月別府は3連勝。長欠の不安を一掃しただけに、73周年に続き大会連覇の期待は膨らむ。昨年の決勝でも連係した伊藤颯馬、伊藤旭らとの連係から勝機を見い出す。
吉田拓矢、宿口陽一、長島大介と動ける選手がそろった関東勢も侮れない。4月武雄記念の準決で落車した吉田だが、ダービー着。優参は成らなかったものの、ゴールデンレーサー賞に乗っていて、調子にはまったく問題なかった。昨年はG3で3Vを達成した実績があるので、位置取りにもこだわる自力攻撃が奏功なら好勝負に持ち込める。
南関勢も軽視できない。北井佑季、小原太樹の神奈川コンビ、岩本俊介、鈴木裕の千葉コンビとラインの総合力はかなりのもの。今年はまだGレースでの優参はない北井ながら、ビッグレースでも機動力を猛アピールしているし、F1戦では3Vを飾っている。小原は3月玉野記念でV。相変わらず差し脚は切れている。