難しい優勝争いの行方
実力互角のメンバー構成で、2班昇格に勝負駆けの選手はいない。121期の選手にとって未経験の9車立てだし狙いは絞りにくいが、北の3人と中国の2人は連係してラインの競走で、他の4人は個のレースか。中国勢の連係を重視して富武大を本命に推した。踏み出してからの加速が抜群なタイプで、ここまでV7、準V6回、決勝3着5回と安定感は半端ない。番手戦も器用にこなし、直前の6月青森の優勝も松下綾を盛り立てて手にしたものだった。5月には特班に挑むなど進境著しい昼田達哉の積極策に乗れる番組は願ったり叶ったり。チャンスをモノにしよう。
単騎勢ではまず岸田剛。121期のゴールデンキャッパーで、師匠の脇本雄太の下で順調に力を伸ばしている。次元の違うダッシュで繰り出すカマシ、まくりの威力は満点で、ここまで11V。6月函館では高本和也の特班を阻止する優勝と勢いもある。
高本、長谷川飛向はともに直近の場所で今回戦う同期に特班を阻まれたものの、上り調子の勢いは凄い。高本は通算7V、長谷川は今年だけで6Vをマークしている。単騎戦でも持ち味を発揮できれば。
近谷涼は元中距離ナショナルチームの超エリート。競輪の競走にも馴染んで、先行力を遺憾なく発揮している。ただ、ラインで決める競走が売りなのでそこがどう出るか。
照井力斗が16日からの静岡で特班する可能性もあるが、繰り上がりの比佐宝太も含めて北の3人で結束なら本線視も可能。司令塔役が期待される堀は大学時代に自転車競技で活躍し、養成所では先行回数一番と前評判が高かった選手。落ち着いてレースができるようになって今は怖いものなしだ。長い距離を踏んで勝負できるようになってランクアップの照井がレースを支配し、ラインで上位独占も。