ピックアップ GⅢ 松戸 08/26
地元勢と分かれたもう一方の南関ライン。川越勇星が引っ張って、深谷知広の番手まくりが結実。「(前受けからの突っ張る)あれが見え見えだった」と、振り返った平原康多も、脚を使わずに4番手キープはしたが、なす術なくラインの諸橋愛との3着争いが精いっぱいだった。33バンクが舞台だけに先手必勝とばかりに、機動タイプの意地のぶつかりも多く見られた今シリーズ。一次予選は森田優弥、シンガリ惨敗の二次予選は深谷に先行を許した貴志修己は、3日目、最終日を執念のバック奪取。近畿の自力選手として、存在感を見せた。
「最終日のレースは落ち着いてできたけど、2日目の深谷さんの走りとかは断然格上で、もっと挑む気持ちが必要だった。これが上位の選手だなって、肌で感じることができました。まだまだこれから上に上がっていきたい気持ちがある。近畿の上の人も(自分の走りを)見ていると思うし、消極的なところを見せたら、ラインとして不安な気持ちになると思う。たとえ着に入れなかったとしても、そこ(積極的に仕掛ける)はブレずに走りたい」
一次予選で仲野結音と壮絶な叩き合いを演じて主導権を死守した林昌幸だったが、さすがにもう1つのラインにまくりられて8着に沈んだ。しかしながら、2、3日目を連勝。3日目は後位がもつれたこともあったが、逃げ切りで好配当をメイクした。
「(主導権争いで叩き合いをした初日の)昨日は負けているけど、見せることができた。ただ、もうちょっとうまくた立ち回れればっていうのもあって、(2日目は)昨日の反省を生かせました。ただ、すべてに立ち遅れて、仕掛けどころがワンテンポ遅れている。なんとか力でいけたけど…。自分の力はまだまだF1の予選レベル。力も技術もですね。(3日目は)荒井(崇博)さんに付いてもらって、すごく緊張しました。荒井さんの援護もありましたけど、2周半踏んで逃げ切れているのですごくいいレースができたと思います。自分のなかでは、あの距離は死に駆けになるかなっていうのがあったけど、強い気持ちをもって走った。ビックリするくらい掛かってました。これからも強い気持ちをしっかりともっていきたい」
すでにG1でも実績をあげている松本秀之介は、シリーズ3連対。車番が大きく明暗を分けた準決での9着を除いては、2度の先行策と内容も上々だった。
「(最終日のまくりは、最終)ホームで行ければ理想でしたね。サラ脚だったんで、(まくった)スピードのノリも良かったし、踏み出しも良かった。(5走したG1のオールスター終わりで)体はキツい部分もあったけど、レース内容も長い距離を踏めていたんで良かったと思う。脚の状態も悪くないです。次の共同通信社杯(9月15日から)は熊本は若い人ばっかりだし、そのなかで頑張りたいですね」
藤井昭吾は、番手と3番手が2回ずつだった今シリーズを3着。「(記念で4日間、人の後ろを回ったのは)初めてですかね」と、近畿ラインの先頭で風を切ってきた藤井が、1つのターニングポイントをこう振り返る。
「練習内容とかも全然、変わってない。初日は自分でやる番組かと思って来たんですけど、初日から貴志(修己)君がいた。今日(最終日)に関しては、仲野(結音)君が自分で残ってくれただけです。自分は悪いクセで内に差してしまった。(仲野に遅れて、追いつく)あそこで(脚を)ほとんど使ってしまった。そういう細かいミスがある。もっとレベルが上がれば、ああいうのが取り返しのつかないことになるんで、そういうのをなくしていかないと」