ピックアップ GⅢ 和歌山 08/10
接近する台風の影響で、初日は季節外れの強風が吹き荒れて先行屋が苦戦を強いられる中、混戦シリーズらしく好調者の勝ち上がりが目立った。優勝は金子幸央。3年前の交通事故からの復活Vに感情が爆発し、ゴール後はバンク中に響き渡るほどの雄たけびを上げた。
*池野健太はここの前場所の奈良F1準決で、大穴を叩き出して今年初優出。意気込んで臨んだ今節だったが、結果は二次予選敗退。最終日にしてようやく前へ前へと攻める、らしい競走が出た。
「ジャンのところで突っ張られたらしんどくなるし、しんどくてもあそこはしっかり切ろうと思ってました。先頭に出て、畝木(努)君が来なくても腹をくくればいいと思って、あそこで前に出られたのが大きかった。今回は気持ちが入ってたのに、体の状態が噛み合ってなかった。同期(の酒井拳蔵)と連係する機会があったりしたし、気持ちは入ってたけど体が追いついてなくて。向日町G3の時もそんな感じだったけどんですけど、決勝を目指してた分、悔しかった。ここで落ち込み過ぎていても駄目だし、気持ちを入れ替えて次に向けてやっていきたい」
初日特選からスタートした*小森貴大だったが準決敗退。未勝利に終わったシリーズながらも、先行基本の初心に立ち返った競走は目を引いた。
「(最終日は)自分のタイミングでは行けましたけど、その上で勝ち切る脚力がないと。4日間を通して気持ちの入ったレースはできたけど、昨日(3日目)は焦って外を踏んじゃったりしているし、その辺の技術があればもっと安定してくると思う。前回の向日町で山田久徳さんと、村上博幸さんと走らせてもらってからここを走って、何かしらをつかめそうな感じはしています。あとは、これだっていう確信を練習でつかみたい。33歳、まだまだ強くなりますよ」
*蕗澤鴻太郎2勝を含む3連対。準決の運行こそ悔やまれるが、状態の良さは明らかだった。結果が自信につながってくれば、もっと上の舞台でも勝ち負けできそうだ。
「ずっと街道で練習してたんですけど、今年の3月か、4月くらいから前橋バンクに入って若手中心の練習に行くようになったんです。佐々木悠葵とか、小林泰正さん、新人の篠田幸希、浮島知稀とか、みんなめっちゃ強い中で刺激を受けながら練習できてる。街道だけじゃスピードが出ないから強くなれない。一番はトップスピードが上がって、キレが出るようになった。あとは、準決みたいな展開で、タイミングを逃さずに行けるかどうか。そこを行けるかどうかで今後につながってくると思う」
*芦澤大輔は20年12月千葉記念in松戸以来のG3決勝進出。初日に新フレームを投入し「迷宮入りです」と、セッティング面には苦労した。結局決勝には旧車のセッティングを改良して望み、3着に入って競輪祭への切符を手に入れた。さらなる進歩を求めて、今後は新車を煮詰めていくつもりだ。
「(決勝は)大混戦になったから、久しぶりにレースを走っていて楽しかったです。今回は番組とか、前で頑張ってくれる選手のおかげで決勝まで上がることができた。今回でまだまだ若手に付いて行けるんだなって思えました。自転車は、新車に合わせていく方向でやっていきたい。帰ってしっかり煮詰めます。記念とか、グレードレースで活躍できるように、努力していきます」