ピックアップ GⅡ 青森 09/15
平原康多、郡司浩平が一次予選で敗れて、7人いたS班で決勝までたどり着いたのは、わずかに地元の新山響平だけだった。一、二次予選がともに自動番組編成でメンバーの偏りもあり、本来あおりを受けることが少ないS班の選手たちにとっては、受難のシリーズになった。そのなかで地元ビッグ制覇に単騎で敢然と仕掛けた新山の決勝の走りは、優勝にこそ結実しなかったが新山らしいS班にふさわしい内容だった。
渡邉雄太が目標の一次予選では、まさかの8着だった郡司浩平。シリーズを未勝利も、その後は着と成績をまとめた。2日目以降はすべて番手の選手に白星をプレゼントする仕掛けを見せて3日目のカマシ先行で、ようやく好感触を得た。
「今日(3日目)は、昨日よりもかなり感じ良く踏み上げられた。出てからは練習のイメージで踏んでいけた。(最終)4コーナーからタレて、押し切れなかったのは脚力のなさです。(2日目までは)自分が思ってた(自転車の)ポジションになってなかった。何ミリかですけど、ズレていた。(3日目で)レースに来る前の練習の感覚にはなった。(2日目までは)調整ミスかなと思ったけど、感覚のズレだった」
最終日で打鐘先行策を打った長島大介は、ラインの武藤龍生とワンツー。上々の動きを見せたものの、単騎の準決では嘉永泰斗の加速に置いていかれて7着。現状での力の差を痛感してビッグ初優出を逃した。
「(最終日は展開が)思惑通りになりました。距離的にはもつ距離だったんで、どうにかなるかなと。自分の状態はいいけど、準決は嘉永(泰斗)君との差を感じました。二枚くらい上にいる。そこを肌で感じられて良かった。強すぎて、悔しいっていうのもわいてこなかった。ただ、そこを課題にはやっていきたい」
3日目まで持ち味を出せずいいところのなかった朝倉智仁だったが、最終日はラインを上位独占に導く逃げ切りでビッグ初勝利。20年8月のオールスターでは、先行策から1位入線も斜行で失格。幻の1着だっただけに、胸をなでおろした。
「最終日はラインを生かして、自分の形にできたのが良かった。ビッグだといっぱい、いっぱいです。3年前のオールスターで1着失格しているんでドキドキしました(笑)。最近は落ち目だったので、ジャン先行で1着を取れたのは自信になるし、これからにつなげていきたい。ここ最近は走り過ぎて疲れているっていうのと、気持ちの面ですね。モチベーションが保てなかったところがあったので、ここを目標にしてきました。(仲のいい)眞杉(匠)がG1を獲ったのはうれしかったけど、マジかって(背中が)遠くなりました。ただ、違反訓練の時に眞杉とも練習して、気持ちの持ち方と言うか、新しいモチベーションのつくり方もできたんで、(脚力を)戻していきたい」
「めちゃくちゃ気持ちが入ってました」と、小川勇介、園田匠と2人の兄デシとのタッグだった最終日の岩谷拓磨。熱い情熱のなかにも冷静さを保ち、好位からまくって同門で上位独占を果たした。
「(最終日は)切って(別線が)来なければ、先行しようと思ってた。無理に来るようなら、(別線は)2車なんで出させて行けるところからと。(今シリーズは)調子は悪くなかったのに、初日単騎でなにもできなかったのが悔しい。これからもああいうことがあるだろうし、楽して勝ちたいっていう弱い部分が出てしまった。一昨日(2日目)の嘉永君みたいに(単騎でも)しっかりと強い気持ちでやらないとダメですね」