安定感際立つ古性優を信頼
輪界の第一人者である脇本雄太は、オールスターのシャイニングスター賞で落車。残念ながら今シリーズは欠場となった。ならば主役を務めるのは古性優作だ。今年のG1はすべて決勝に進出。全日本選抜、高松宮記念杯は昨年に続いて連覇、ダービーでは決勝5着、オールスターは準Vと素晴らしい成績を修めている。今年の獲得賞金は1億7千万円を上回っていて、第2位の山口拳矢に5千万円近くの差をつけてトップを突っ走っている。共同通信社杯の成績は、他のビッグレースに比べると見劣りするが、評価を下げる材料にはなるまい。機敏な立ち回りから好位置をキープし、自力を繰り出して大会初Vをゲットするとみた。同郷の稲川翔が古性とタッグを組む。古性とは連係実績が豊富で、高松宮記念杯の西一次予選2、西準決では、いずれも古性のまくりに食い下がりワンツーを決めている。
ラインの総合力なら地元の北日本勢が一番だろう。新田祐大、新山響平、佐藤慎太郎、守澤太志と4名のSS班を擁する。地元の新山は相変わらず全国各地で先行力を猛アピールしているので、ここもラインの先頭で積極的に攻めるとみたが、昨年の競輪祭の決勝では、新田の仕掛けに乗った新山がタイトルホルダーの仲間入りを果たしている。新山の地元戦なので、普段とは違った布陣を敷くことも考えられる。北日本勢の動向には注目したい。
関東勢も大将格の平原康多をはじめ眞杉匠、佐々木悠葵と戦力は整っている。オールスターでは、関東連係を実らせてG1初Vを達成した眞杉だけに、ここは関東ラインの先陣を受け持って強気に攻めよう。今年は落車が多く、まだVがない平原ながら、最近は底力を発揮しているし、佐々木はオールスターを落車負傷で欠場したが、復帰戦の8月前橋は3連勝で不安を一掃した。
ダービー王・山口拳矢の単にも食指が動く。ダービーの後はやや調子を落とした時もあったが、サマーナイトで優参、7月名古屋記念❶着と立て直しに成功。スピードの切れが甦ったので、タイミングよく仕掛けられれば好勝負に持ち込める。
今年は一段と飛躍を遂げた犬伏湧也にも魅力を感じる。3月大垣記念でG3初Vを達成すると、ダービー、オールスターでは決勝進出を果たした。非凡なスピードはSS班の自力型にも引けを取らない。仕掛けがツボにはまると大駆けも。
南関勢では郡司浩平、深谷知広、松井宏佑らに期待がかかる。郡司はオールスター、8月松戸記念と今ひとつ物足りない場所が続いたが、深谷は松戸記念で今年5V目を飾っている。松井はオールスターの一次予選2で落車し、以後は欠場した。体調には一抹の不安が残る。
山崎賢人、嘉永泰斗、山田庸平とそろった九州勢も侮れない。また、松浦悠士はオールスターの落車で鎖骨と肩甲骨を骨折した模様で、完調での参戦は難しいか。