• 弥彦競輪場 第32回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント10/19〜10/22

インサイドレポート・シリーズ総評

ピックアップ GⅠ 弥彦 10/19

 気温も下がり、4日間のうち2日が雨のバンクコンディション。タフなシリーズもプラスに働いた古性優作が、理事長杯からのスタートで4連勝の完全制覇。脇本雄太の番手から獲った全日本選抜、高松宮記念杯とは違い、脇本不在のなかで今年3回目のG1優勝を遂げた。11月の競輪祭で年間記録となる4度のG1Vに挑む古性は、競輪祭を優勝すれば日本選手権を残してグランドスラムにも王手をかける。すでに21年にグランプリ制しているだけに“完全グランドスラム”への夢は広がり、いまの古性ならそれも難しいことではないように思われる。

渡部幸訓

渡部幸訓

 G1デビューは一昨年5月の日本選手権。現在40歳、晩成タイプの渡部幸訓は、ビッグ初のファイナルで3着の表彰台。昨年はすべてグレードレースで5度の失格を喫して、苦汁をなめていた。しかしながら、今年は8月のオールスターでも準決に進出と、ようやくビッグでの“力の加減”がわかってきたようだ。

 「(G1の決勝に乗れて)ようやくここまで来られたかなって思います。ラインの力はもちろんなんですけど、かなりうれしいですね。(ここ数年は)G1メンバーのなかでもある程度、戦えているなっていうのが自分としてもあった。チャンスが巡ってくればモノにしようっていう準備はしてました。(決勝を走って)初めてのG1の決勝で表彰台はデキ過ぎ。競輪人生で(決勝に乗れて)満足していたところもあるが、ラインのおかげです。自分の力よりもラインの力です。(これからも)初心に返って一戦、一戦、コツコツやっていきたい」

深谷知広

深谷知広

 9月の共同通信社杯で9年ぶりのビッグ制覇を飾った深谷知広は、3着での二次予選B敗退も3日目までは先行策を貫いた。最終日は太田海也、吉田有希の若い2人の壮絶な叩き合いを、まくりで仕留めて手ごたえをつかんだ。

 「(最終日は)しっかりと(太田と吉田の叩き合いの)状況を見極めながら(仕掛ける)準備をしていました。(まくりは)最初3、4歩が足踏みしたけど、そのあとが伸びていったんで良かった。そっち方面のフレームなんで、まくりを打てたのは収穫だった。練習では使ってたフレームですけど、本番に持ってきたのは今回が初めて。(セッティングなどで)まだやれることはあると思うので、このあともやりながら乗っていこうと思ってます。まずは落とした体力と体重を戻して、そこからの練習をしていかないと」

中野慎詞

中野慎詞

 ナショナルチームでの活動で競輪の出走機会が限られていることもあるが、中野慎詞は3度目のビッグ出場となった今シリーズの最終日の逃げ切りがビッグ初勝利だった。次は11月21日からの競輪祭。ドームが舞台なら、今シリーズ以上のパフォーマンスが期待できる。

 「G1初勝利はうれしいけど、連日、失敗続きで悔しいを超えて(自分に)ガッカリしていました。オールスターからも失敗続きで、今回は思いっきり行こうとインタビューでも言った。それなのに思っている以上の失敗をしてしまった。でも、この1勝は小さな進歩だと思う。(別線に)警戒されることも多くなるかもしれないけど、そんななかでも自分に展開を向かせるようにするのは大事。進化させていかないとダメですね。(競技の)ジャパントラックカップがあって、そのあとは中1日で競輪祭の予定です。競輪祭は最低でも、準決にはいけるようにレースを見て勉強していきたい」

小林泰正

小林泰正

 着の3日間の動きも悪くはなかった小林泰正が、最終日はカマシで神山拓弥とワンツーの2着。渡邉雄太、山崎賢人をくだした走りに、付けた神山も「前の(小林)泰正よりも強くなっている。想定していたより3段階くらい強かった」と、称えた。

 「この3日間、一度もバック取ってなくて、出し切るレースをしてない。(最終日)出し切るレースをしようと、自信をもっていきました。ただ、正直、どこまでもつかなっていうのはありました。でも、(最終)バックからも踏み直していけました。眞杉(匠)とか、森田(優弥)とか、(同じ関東の)同期が成績の残していることはすごく大きい。自分も負けないように、ここで終わらないようにしっかりと練習をしていきたい」

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