信頼性が高い古性優
輪界の第一人者である脇本雄太は、オールスターで落車し、以後は実戦に姿を見せていない。回復具合から11月から再始動の見込みという。ならば獲得賞金ランキングでトップを快走している古性優作を重視する手だ。今年の古性は充実していて、G1、G3でそれぞれ2Vを達成。勝率は昨年の25%を大きく上回る49%を誇っている。素晴らしいスピードの切れ味と、俊敏な立ち回りを武器にした競走で、安定感の高さは際立っている。寬仁親王牌初Vに期待した。もちろん、脇本は不在でも近畿勢は層が厚い。稲川翔、南修二、寺崎浩平、村上博幸、東口善朋、三谷竜生らが古性を盛り立てて一大勢力を築く。
新山響平、新田祐大、佐藤慎太郎、守澤太志とSS班4名を擁する北日本勢。今年の世界選手権のケイリンで、銅メダルを獲得した中野慎詞もいるので、ラインの総合力はかなりのもの。今年はまだ優勝には手が届いていない新山ながら、共同通信社杯は❷着とオール連対の準V。高いトップスピード、航続距離が長い先行力を猛アピールしている。北日本勢がレースを掌握する可能性は大いにあろう。新田は昨年の覇者。グランドスラムを達成した大会だけに思い入れも強いはず。オールスターで落車した影響がまだあるのか、9月松阪記念での動きは好調とは言えなかったものの、戦える状態にはある。
南関勢は郡司浩平、深谷知広、松井宏佑と超ド級の自力型がそろっている。最近は一息不足の場所が続いた郡司ながら、9月松阪記念では❶着と立て直しに成功。深谷は8月松戸記念で優勝すると、続く共同通信社杯では、約9年ぶりにビッグレースを手中に収めた。好連係を決めれば南関勢が優勝をさらっても不思議ではない。
オールスターではタイトルホルダーの仲間入りを果たした眞杉匠。その後も自慢の機動力を遺憾なく発揮している。うまくレースの流れに乗って自力を出せれば好勝負に持ち込める。関東の大将格・平原康多も動きはまずまずだ。オールスターで決勝に乗ると、8月松戸記念、9月立川記念はいずれも決勝3着。当所で開催された一昨年の覇者だけに軽視は禁物。
中国勢も松浦悠士、清水裕友、太田海也とそろっている。オールスターで落車した後は欠場が続いていた松浦は、10月熊本記念in久留米から復帰。ぶっつけ本番を避けられたのは好材料だろう。注目株は太田だ。ビッグレース初参戦のオールスターで着と大活躍を演じている。ワールドクラスのスピードは折り紙付きだ。
ダービー、オールスターで優参を果たすなど、今年は飛躍を遂げた犬伏湧也も怖い。トップスピード、ダッシュ力には目を見張るものがある。仕掛けがツボにはまれば一発があってもおかしくない。
ダービー王・山口拳矢は落車の影響で9月松阪記念の動きが今ひとつだったのが気がかり。初日の動きに注目したい。
九州勢では自力攻撃に磨きがかかった嘉永泰斗が魅力。