• 四日市競輪場開設72周年記念泗水杯争奪戦11/9〜11/12

インサイドレポート・シリーズ総評

ピックアップ GⅢ 四日市 11/09

 浅井康太の通算6度目の四日市G3Vで幕を閉じた今開催。脇本雄太を相手に見せた、落ち着き払った立ち回りと、圧巻のテクニックは、中部の大黒柱の健在ぶりを示すには十分すぎる内容だった。だが、優勝インタビューで放った「僕が第一線にいることは残念なこと」という浅井の言葉は重すぎる。自身のS班返り咲きを狙うのは当然のことながら、浅井が最も願うのは、中部王国の復興なのだろう。

清水剛志

清水剛志

 今節で成績以上に名を上げたのは、清水剛志だ。二次予選では、三谷竜生と、南修二のビッグネーム2人を背負って決死の先行策に出てラインの勝利に貢献。3日目は二段駆け態勢の関東勢を分断し、藤田勝也に1着を配給した。最終日こそ位置を取って流れ込みの3着に終わったが、赤板2センターでスイッチしてから打鐘で前に出た動きは秀逸だった。

 「(最終日は)最後に外を踏めてたら、3着でもヨッシャ!ってなったんですけどね。森川(大輔)さんにスタートを取ってもらったし、2日目に三谷さんの前でああいうレースをしたからこそ、最終日も外をしっかり踏めてればよかった。でも、三谷さんと、南さんの前で走らせてもらって本当に気が引き締まった。あれで気合が入ったし、3日目は何でもやってやろうって気持ちでした。脚がない分、なんでもやらなきゃいけないんで。本当に良い経験ができた開催でした」

久田裕也

久田裕也

 久田裕也は、10月小田原G3で積極的な競走が実を結んで決勝に進出したが、続く京王閣記念で落車してしまう。状態面が不安視されたが、二次予選では最終ホーム3番手からのカマシを浴びせて山口拳矢を不発に追い込んだ。連日の着こそ大きかったが、復帰戦にして相当な手応えをつかみ、自信に満ちあふれた表情でシリーズを振り返った。

 「やれるっすね。落車のケガが軽傷で本当に良かった。最近は先行にこだわってやってきて、だんだん踏める距離も長くなってきてるのが分かった。もともと1周とか、半周ぐらいなら通用する自信はあったけど、長い距離がいけないのが課題だった。まだ焦って踏んじゃってペース配分をミスしちゃうことが多いけど、どれくらいで踏めばゴールまで持つのかっていうのが、だんだん分かってきました。このままこの競走を続けていけば、やれるっすね」

坂口晃輔

坂口晃輔

 坂口晃輔にとっては、上り調子の中で挑んだ地元記念だった。それが、二次予選でまさかの敗退。だが、そこから立て直して結果的にシリーズ3勝を挙げた精神力は並大抵のものではない。追い込みとして着実にステップアップする坂口の努力が、いつか実を結ぶと思いたい。

 「(最終日は)あの展開で外から踏めたのは良かった。良くないときなら内を見ちゃうと思う。平原(康多)さんにも伸び勝てたので良かった。脚自体は今開催良かったと思うから、もっとレースの読みを磨いていかないとですね。あとは展開が悪い時に最後に突っ込む脚。勝ち上がれなくて、悔しい思いもあったし、情けない思いもあった。それでもお客さんは期待して応援してくれたんで。その期待に応えられるように頑張っていきたい」

山岸佳太

山岸佳太

 山岸佳太は、二次予選で平原康多の前回り。気迫の先行策を見せたが、自身は8着の結果。そして、平原を勝ち上がらせることもできなかった。最終日に意地のまくりを放ったものの、悔しさの残る開催だったことに違いはない。

 「二次予選で平原さんの前で先行しましたけど、現状の課題が見えた感じですね。結構自分が番手を回ることも増えてきて、そういう時に若い子は僕の前で頑張ってくれるんです。自分が前を回る以上はと思って先行したんですけど。自分が前でやる時は、もちろん先行ありきで走ってるんですけど、人気になることもあるし、まくりになることが多い。そこは自分の課題。行けるタイミングを逃すのはだめなんで。自力でやる以上は、そういう課題を潰すために、しっかり練習していきたい」

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