昨年、グランプリを制して賞金王にも輝いた松浦悠士が、24年をこの川崎記念から始動。チャンピオンジャージのお披露目ともなったシリーズは、➋❸着。勝ち上がりの二次予選、準決では決して恵まれた番組構成とは言えなかったが、決勝にはコマを進めた。準決でラインの３番手を回った経緯もふまえて、24年の初場所を振り返った。

　「連日、ラインが頑張ってくれた。それが大きい。ＳＳだからとかチャンピオンユニフォームだからとか、都合のいい並びはできない。（準決は）東矢（圭吾）君の気持ちも伝わったし、これから期待できる選手なんで。（４日間）比較的、落ち着いて走れました。スタートの役割もギリギリ果たせた。日に日に状態が上向いて、今日（最終日）が一番感触が良かった。今年１年の新たな目標っていうのはないけど、昨年よりもいい成績、昨年の賞金を上回るっていうのはあります」

　最終日は思わず感嘆の声がもれるような、圧巻の逃げ切りでシリーズを締めた北井佑季は、準決ではラインでのワンツーをメイク。優出は果たせずも、地元記念で存在感は見せた。

　「去年はＧ１をいくつも走れたけど、準決までしかいけなかった。（今年は）Ｇ１の決勝にしっかりと乗って、そこで自分の力を試したい。Ｇ１で結果を残したい。（今シリーズは）二次予選は力を出せなかったのもあるけど、まくりで仕掛けて最後まで踏めた。準決は力の出し方だったり、ペース配分を修正しないとっていうのはあります。（最終日はラインで）ワンツースリーが決まったんで、ペースは間違っていなかったんだと思います」

　昨年は寬仁親王牌で初めてのＧ１も経験した新村穣は、着とホームバンクの記念をまとめた。成績面を見てもわかるように、自身の脚質を生かしたしぶとい走りで活路を模索した。

　「（初めての川崎記念は）初めて記念の準決までいけて、初めて（最終日に）特別優秀にも乗れたんですけど。初日は福田（知也）さんに残してもらって、２日目は石塚（孝幸）さんに助けられて準決には乗れました。結果的に郡司（浩平）さんとは連係できなかった。自分の走りに価値をつけていかないと、そこにはたどり着けないと思う。４月（の川崎記念）は呼んでもらえるかはまだわからないですけど、そこを目指していきたい」

　最終日は単騎でしてやったりのまくりで勝ち星を挙げた山田諒は、Ｆ１での白星ラッシュにも慢心することなく９車立てを見据えた。

　「今回は動けるには動けたんですけど、９車立ては７車よりも距離を踏まないといけない。一撃だけなら行けているんですけど、もっと距離を行けるようにならないと。もう新山（響平）さんみたいに意識されるぐらいまでに、なれればと思っている。いまの競輪は突っ張りができるのは強みなので。７車立てでは（突っ張りを）やっていたんですけど、９車で細切れとかになると厳しくなってしまうので、そういうところは考えないとですね」