GPチャンプ松浦悠を信頼
昨年は5回目のグランプリ出場で頂点を極め、初の賞金王に輝いた松浦悠士が優勝候補の筆頭だ。グランプリは、目標の清水が最終1センターで仕掛けるも行き切れないとみるや、すかさず深谷知広にスイッチした俊敏さは、らしさを十分に発揮したレースだった。昨年は落車負傷に悩まされた時期もあり、順風満帆ではなかったものの、最高の形で締めくくれただけに、気分よく今年の初戦に臨めるはず。グランプリから2週間以上の空きがあるのも好材料だろう。盟友・清水裕友とのタッグで大会連覇を睨む。その清水は、昨年はビッグレースでのVこそなかったものの、年間を通して安定した成績を残した。ダービー準V、オールスターは決勝4着、防府記念では、自己の記録を更に伸ばす6連覇を達成している。そして、新年も1月大宮記念を豪快なまくりでVと好スタートを切った。松浦と好連係を決めての中国ワンツーを目指す。
この大会で素晴らしい実績を残している郡司浩平を中心視する手も十分。昨年は松浦と星を分け合ってだが3連覇中で、今年は4連覇に闘志を燃やす。昨年はビッグレースであまり結果を出せず、無念にもSS班を明け渡したが、記念開催では4Vを達成している。自力勝負でもVは十分に狙えるが、昨年8月の富山記念の準決、決勝でワンツーを決めている北井佑季との連係が叶うようなら、展開有利に抜け出す場面は大いにありそうだ。その北井はパワーあふれる先行で別線を沈黙させている。昨年は9月向日町記念を含み5V、39勝をあげた。地元ラインの先頭を任されれば主導権は譲るまい。松谷秀幸は素晴らしい伸びを披露している。競輪祭では4分の1輪差で優参を逃がしたが、12月は向日町、久留米を連覇。地元勢がレースを支配なら連に浮上してこよう。
深谷、渡邉雄太の静岡勢はどう出るか。メンバー構成次第では、地元勢とは別線で勝負も考えられる。17年以来となるグランプリ出場を果たした深谷は、5番手から最終2コーナーでスパート。惜しくも続いていた松浦に差されたものの、脇本雄の逃げを仕留めたパワーは際立っていた。昨年は共同通信社杯、1月大宮記念、8月松戸記念など8Vを達成。有力な優勝候補のひとりだ。
新SS班の眞杉匠も本来なら有力なV候補だが、練習中の落車で重傷を負った模様で、ここ出走は絶望的だ。その穴を埋めるべく佐々木悠葵、諸橋愛らが奮起する。調子上向きな佐々木だけに自力自在戦がツボにハマれば一発の期待は持てそう。
ラインの総合力では劣勢の近畿勢だが、稲川翔は侮れない。12月広島記念in玉野は決勝に進出、1月岸和田はオール連対の準Vと、相変わらず安定感高い走りを披露している。ここは近畿の自力型が手薄なので、動向には注意したい。