ピックアップ GⅢ 奈良 02/22
グランプリを含めて4度のビッグタイトルを手にしている三谷竜生にとっては、思いのほか少ない7回目のG3V。6年前の兄、将太とのワンツーのあとは、5月ダービー、6月高松宮記念杯を制して、年末のグランプリも奪取した。老け込むにはまだ早い36歳。「やるからにはグランプリを目指していくのは当たり前なんで」との言葉通り、大舞台で輝く姿が似合っている。
“タラレバ”になるが、守澤太志がさばかれていなかったら…。決勝であっと言わせた菅田壱道の俊敏な動きとまくりは、ようやく本来の動きを感じさせるものだった。6度のG1ファイナルを経験しながらも、まだタイトルには至っていない菅田のこれからに期待したい。
「(決勝は)バックで出切ったところでいけるかなと。三谷(竜生)君は脚を使っていなかったのもあるけど、力負けですね。自分は最大限のレースをした。ただ、古性(優作)君、三谷(竜)君、脇本(雄太)君とグランプリ王者が相手に最大限のレースができた。先行っていうよりこうやって対応する、ワンチャンスをモノにするために俊敏に動く持ち味を磨きたい。コンディション管理がうまくいっているのは収穫ですね。今回のメンバーだとG1の準決、決勝みたいな感じだったので、(この動きには)自信がもてる」
今シリーズ一番のインパクトだったのは、藤井侑吾の強烈なカマシだろう。準決では援護を失いながらも近畿勢を苦しめて、あとの3走は2勝2着1回。21年11月の競輪祭以来、2度目のビッグとなる3月21日からのウィナーズカップでは、どこまで通用するのか見ものだ。
「(最終日は)前受けから自分の行けるところから、シンプルに(力勝負)と思ってました。(仕掛けたところは)無理やりでも行った感じです。昨日(準決)のこともあったんで出切れるかなとは思ってました。(踏み出しは)モコモコって感じで、もっとすぐに(スピードに)乗せられると楽に出られるので、もう1段階上げていきたい。脚力が上がっているのも確かにあるんで、あとは組み立てとかタイミングですね。そうすれば特別クラスでも戦えるんじゃないかと。まずはF1ともっと優勝っていう(目標)のもあるし、記念では準決で失敗している。得意なカマシが多くなっているので、突っ張りで見せることも必要だなと。戦法の幅を広げていけるように。ウィナーズカップは初めて初日特選に乗れるんで、まずはそこで頑張りたい」
シリーズ初日の一次予選でデビュー通算200勝を遂げた川口聖二は、「もうちょっとスパンって進むところがあるかなと」と、初日を終えてもらしていたように、その後もセッティングの調整に余念がなかったが答えは出なかった。
「終わってみれば、なんでも(初日に)勝てたのかなっていうくらいの感じでした。セッティングもいじりっぱなしだった。(7着の)2日目にしたってもうちょっと上の着があっていい」
池野健太はシリーズを2勝も一次予選敗退などを振り返り、「今開催は不甲斐なかった」と、反省点を並べた。直近の競走得点も105点台と乗れているだけに、さらなら高みを見据えてもいいだけの走りをしている。
「(最終日は)佐々木(則幸)さんに入られたのは反省点です。そういうところを1個、1個しっかりとつぶしていかないと。まだ(3場所前の落車の影響が)ないわけではないんですけど。点数も上がってきて、周りからもいろいろ見られていると思う。前期はギリギリで(S級1班の点数が)取れたと思う。取れていれば1班は初めてです。(5月の)ダービーの権利も取れていると思うので、今期のS1もそうですけど、しっかりとやって(近畿勢の)周りに認められるように」