近畿勢VS北日本勢
昨年はG1を年間3冠の古性優作。97年の神山雄一郎以来となる大記録で、最優秀選手賞を受賞している。今年も初戦の1月和歌山記念ではオール連対のV、全日本選抜競輪も本人の納得のいく動きはできなかったが➍着で優参。全日本選抜の準決は松井宏の番手を郡司浩から奪って勝っており、輪界を代表するオールラウンダーの実力を示した。安定感には素晴らしいものがあり、最も信頼がおけるとみて中心視した。豪脚誇る脇本雄太は、ここも状態が浮沈の鍵となりそう。全日本選抜では準決で番手が離れる不運もあって決勝を逃したが、4日間完走したことでそこまでの悪い流れは断ち切ったか。豪快なまくりで浅井康とワンツーを決めた二次予選のような走りができれば古性を振り切ってもおかしくない。竜生、将太の三谷兄弟が地元記念Vに邁進する。竜生はこの大会に実績があり、67、72周年を制している。将太は21年に施設整備等協賛競輪(G3)でVをゲット。大会連覇がかかっている竜生が、好展開をものにして首位に躍り出る場面は考えておきたい。昨年の共同通信社杯から全日本選抜までビッグレースで4開催続けて決勝に乗っている南修二、全日本選抜でもスタールビー賞を制するなど、最近は伸びがいい東口善朋らも好位置占めれば連に浮上してきそうだ。
今シリーズは地元地区の近畿勢が圧倒的な戦力を誇っているが、北日本勢も新山響平をはじめ守澤太志、菅田壱道、小松崎大地と充実のラインナップだ。スケールの大きな先行で別線を沈黙させるレースが多い新山は、全日本選抜で前受けから突っ張り先行という得意なレースをあえて封印しながら決勝に進出。さすがに2年連続のS班はダテではない。自力型がそろっているので、幅広い組み立てが可能だが、やはり新山が先陣を受け持つとみるのが自然だろう。脇本には昨年のグランプリで主導権を譲っただけに、ここはリベンジに闘志を燃やす。守澤、菅田らも動きは悪くないので、新山がタイミングよく仕掛けて先手を奪えば、北日本勢から優勝者が出ても不思議ではない。
昨年は12月広島記念in玉野を4連勝で締めくくった山田庸平。今年も1月立川で3連勝、同月平記念は決勝3着と、相変わらず安定プレーを演じている。立川の初日特選、準決はいずれも逃げ切っていて、自力攻撃の破壊力も増した印象だ。全日本選抜では途中欠場に終わったが、近畿勢と北日本勢が激しくやり合うようなら出番が巡ってくる。西日本スジでレース巧者のベテラン小倉竜二が山田に続くか。