ピックアップ GⅢ 函館 05/16
S級S班5名に今年の全日本選抜を制した郡司浩平ら豪華メンバー出場。好メンバーがそろえば、準決勝は激戦が避けられず、新山響、眞杉、山口拳矢のS班3名は決勝進出を逃してしまう。終わってみれば、優勝した古性優作の強さだけが一人、際立っていた。
北日本のS班新山響平は当大会の66周年記念を制し、当時のデビュー最速G3優勝記録を樹立した思い出の地でもあっただけに、4走すべてでバックを取り、シリーズ2勝を挙げたものの、満足いく結果ではなかっただろう。最終日はメインの“突っ張り先行”だけではなく、3番手に入ってからのまくり勝負で戦法の幅を広げるレースを見せた。だが、見据えるのは純粋なパワーアップだ。
「前を取って、押さえにくるのが甘かったら、突っ張りでしたけど、踏んでおいて、あの感じでしたら出してから行こうと。(戦法が増えると)またレベルが上がると思うけど、G1とかだと追い上げられますからね。パワー不足を感じているので、この後も追い込んだ練習をして長期的に筋力を上げるようにしたいと思っている。(練習の成果は)すぐにはでないと思うけど、オールスターあたりで出てくれれば」
眞杉匠は初日特選を単騎で制し、二次予選はラインを上位独占に導いたが、準決勝は町田太我が先行で松井宏佑が中団を確保、7番手からのまくりは不発となった。今年は練習中落車の大怪我もあったが、4月の西武園記念で優勝し、徐々には復調しているようだが、最終日に現在の状態をこう語る。
「セッティングをだいぶ調整して昨日(3日目)より良いかな。でもまだ改善点はある。体なのか自転車なのか…。自転車もウィナーズカップで落車したやつを(直して)使っているので、よく分からない。今新しいフレームを作っていて届くのは全プロの後になりそう。(今シリーズ2勝を挙げたが)大事な所で勝ててないので…。次の全プロが終わったら(左鎖骨の)ワイヤーを抜こうと思う。人によっては長めに入れておいた方がいいって言う人もいるし、3~4カ月で抜いた方がいいって言う人もいるけど、右と左で左右差があるし、動きが悪いのに慣れても仕方ないので。G1に向けて体も自転車も良い方向にいけるように」
ダービーで初めてG1決勝に進出した小林泰正。直後の大会だっただけに、ファンの期待も集まっていた。二次予選では優参した松井宏佑との対戦になったが、2車単で一番人気に支持されており、期待の高さがうかがえる。最終日は町田太我の先行を力でねじ伏せた。
「町田君がどこを取るかっていうのは気にしていました。動いて動いての3番手だと思ったけど、突っ張りになれば、まくれると思っていました。初日に続いて(渡部幸訓に)差されて悔しいですね。直前の練習の疲れが取り切れていないのかも。この後は大事な開催が続く。同期で活躍している人はみんな記念を取っているし、自分もG1決勝に乗る前に記念をって思っていたので、前橋記念は優勝するつもりでいきたい」
守澤太志は3~4月の2カ月間、あっせんが止まっており、ダービーで久しぶりに実戦復帰し、「レース勘と、体の使い方が練習の使い方になっていた」とG1を振り返った。今シリーズは「レースの体の使い方に修正したい」と臨んだ。二次予選ではS班の眞杉匠を交わして久しぶりの勝利を挙げた。
「(初日は)古性君とハウスをしたり、さばかれたりと、気持ちの問題で情けなかったんで、その分もと思っていました。(久しぶりの実戦になった)ダービーよりは自転車が進むし、レースの踏み方がよくなってきた(復帰2場所目で)セッティング面もあるけど、レースに対する気持ちがまだまだ整っていない。これから走って早く何とかしていかないと。次は全プロ記念なのでそこに向けて頑張りたい」。