ハイレベルなV争い
超豪華なメンバーがそろい、優勝候補は5指に余る。狙いは絞りにくいが、軸として最も信頼性が高いのは古性優作だろう。輪界を代表するオールラウンダーに相応しく、今年も高いレベルの成績を修めている。全日本選抜は二次予選、準決を連勝して決勝に乗ると、ウィナーズカップ❷着、ダービー❸着と確定板を外していない。G3は1月和歌山記念、3月松山記念で優勝を手にしている。今シリーズは連係実績が豊富な寺崎浩平をはじめ三谷竜生、山田久徳、東口善朋と近畿勢はラインの総合力でもリードしている。自力勝負でも十分に優勝を狙えるが、展開の利を得られる可能性も大いにありそうだ。寺崎は先行とまくりを使い分けているが、古性の前を回った時は積極的な競走が目に付く。ここも前を任されれば強気に攻める。
地元の北日本勢の先陣を受け持つのは新山響平だ。今年は昨年に続きSS班を張っていて、相変わらずスケールの大きな競走を披露している。この大会は相性が良く、66、69周年と2Vの実績がある。手厚い援護には定評がある佐藤慎太郎、守澤太志が後ろを固めればラインは強固。今年は決勝となると大きな数字が目立っているだけに、そろそろ決勝で結果を出したい。佐藤も今年はまだ決勝では確定板入りがない。新山と好連係を決めて存在感をアピールするか。
昨年はオールスター、競輪祭と2冠に輝いた眞杉匠の単にも魅力を感じる。今年は練習中の落車で出遅れたが、4月西武園記念では今年初Vをゲット。これで上昇カーブを描いていくはず。柔軟性も兼ね備えているので、好位置キープから自力を出せれば首位に躍り出ても不思議ではない。ダービーでG1初優参を果たした同期の小林泰正はどう出るか。普段は自力基本の競走だが、年齢が若い眞杉に前を任せるか。眞杉がレースを掌握なら、V争いに浮上してきそうだ。
郡司浩平、松井宏佑、和田真久留とそろった神奈川勢も好勝負が期待できる。今年は4年間維持したSS班を手放した郡司ながら、全日本選抜で優勝し、真っ先にグランプリ2024の出場権を手中に修めた。F1戦での6勝があるとはいえ、勝率は8割近くを維持している。快速誇る松井が別線を沈黙させれば、郡司が展開有利に抜け出す場面は十分。和田はダービーの一次予選で落車したのが気がかり。
昨年のダービー王・山口拳矢は、なかなか波に乗り切れずにいたが、ダービーで2年連続の決勝進出と久々に牙をむいた。中部勢はラインの総合力でも劣勢なので、厳しい戦いを強いられそうだが、スピードの切れが戻って一発は十分だろう。
先行力非凡な町田太我も侮れない。主導権を握ると強じんな粘りを発揮する。岩津裕介や小倉隆二らとしっかりしたラインが形成されるようなら大駆けも。