• 函館競輪場GⅢナイター6/6〜6/9

インサイドレポート・シリーズ総評

ピックアップ GⅢ 函館 06/06

 阿部将大が、3度目のG3優勝を単騎で飾った当大会。高知記念は単騎で清水裕友を差し切り、今回も単騎でまくりを決めて優勝した。単騎の不利を跳ね除ける緻密な仕掛けを見せての優勝には価値があるが「(勝ち上がりで)九州勢を連れ込めなかった」と、課題も語った。機動型の層が厚い九州勢の中で埋もれない為にも、ラインとしての勝ち上がりを心がけていく。

高橋美沙紀

高橋美沙紀

 高橋美沙紀は、4日間先行策を貫き通して猛アピール。準決勝は渡口まりあの仕掛けを合わせ切ったものの、末を欠いて4着で決勝進出を逃したが、最終日は逃げ切って1着。デビューからちょうど1年。そろそろ本格化の兆しを見せてきそうだ。

 「まだレースの経験が足りないです。最終日も、誘導のペースをつかめなくて、必要以上に前と車間が空いてしまった。前が布居(光)さんだったし、あの車間で先に駆けられていたら苦しくなっていました。4日間先行はできたけど、勝ち上がりで残れていないのは脚力不足だと思います。焦って踏んでしまった2日目以外は、やりたいレースができました。駆け方の経験不足もあるし、失敗をもっともっと生かしていきたい。レースを走るだけじゃなく、見て覚えていきたい」

小坂知子

小坂知子

 ガールズの優勝は、ガールズ2期生の小坂知子。代名詞でもあるS取りの早さを生かして、初手から加瀬加奈子の後位を確保。鋭い追い込みを見せて、22年11月別府以来、久々の美酒に酔いしれた。

 「最高に嬉しいです。直前に雨が降ってたんで、前が取れるか心配だったんですけど、前が取れて、加瀬さんが来てくれて良かった。合わせ切って、差し切ってゴールできて良かった。(3日目から)セッティングが合ってくれたのが良かった。(セッティングを見てくれた同期の)石口(慶多)君のおかげです。差せるようになったんで。(この優勝が)G1につながればいいですね」

野口裕史

野口裕史

 野口裕史は生まれ故郷の北海道での『準地元シリーズ』を終えて、921着。大敗と、好走が隣り合う結果となった。

 「準決勝は、車番で決まっちゃうような感じだった。地元だったし、もうちょっと自分の力を出したかったですね。レースが詰まってた方が、むしろ疲れとかはないんです。開催が空いちゃうと、練習しちゃうんで。一時期は股の痛みが酷くて、あんまり自転車に乗っているとそれが再発するんじゃないかって不安があった。最近はその不安がないんで、2カ月前くらいからバンク練習を増やしています。それが良くて前回の小田原は優勝できた。ただ、疲労感はありますね。今回は(望月)永悟さんと同部屋で、年齢なりのケアの仕方を教えてもらった。練習とケアのバランスをとっていきたい」

酒井雄多

酒井雄多

 決勝3着で初めてのG1出場を確定させた酒井雄多だが、決勝では力不足を痛感させられてしまった。競輪祭へのタイムリミットは、約半年。そこまでにどれだけ力を上積みできるか。

 「(決勝の)全自力の中で、自分が圧倒的に脚力がなかった。ジャンで大川(剛)君のダッシュに千切れているし、ずっとスカスカしてるだけ。まくろうとか、外を外すとか、考えられなかった。このままじゃ、半年後に泣くことになる。勝ち上がりで先行したけど、あと1キロスピード域を上げないと通用しない。大川君も、菊池(岳仁)君も、阿部(将大)君も、みんな押さえ先行でも残れる力がある。何が足りないのかは見えました。G1でなんとか爪が引っ掛かるように、師匠(成田和也)にアドバイスをもらって、一から作り直していきます」

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