ピックアップ GⅢ 前橋 06/01
練習をともにしている113期3人をはじめとした5人が、決勝に進んだ関東勢。埼玉勢と分かれて、地元コンビの先導役を務めた眞杉匠が突っ張って先行策。中団を確保していた別線の森田優弥、さらに平原康多は地元勢に遠慮の“予定調和”かに思われた。しかしながら、フタを開けれみれば、赤板手前から森田が襲い掛かる壮絶な叩き合い。「森田は魂の走りだったし、その気持ちのバトンをつながないと」の思いで平原が自力に転じる真っ向勝負は、見ごたえがあった。平原が獲った5月のダービーでも、決勝は5車の関東勢が別線。東西対抗での勝ち上がりの高松宮記念杯だけに、同地区同士の火花を散らせるバトルは必至だろう。
2月の全日本選抜最終日に誘導の早期追い抜きで長期の戦線離脱を強いられていた新田祐大は、3カ月半以上ぶりに今シリーズから復帰。優出ならずもシリーズ3勝で存在感を示した。
「準決勝は心の準備はしていたけど、思ったような動きもできなくて(優出は佐藤)慎太郎さんだけになってしまった。初日、2日目で戦い切れたのでその印象があってのことだと思うし、みなさんの期待があるなかで人気になっていた。その分、相手も警戒してくるのでキツかった。(次の高松宮記念杯は)久々のG1ということで楽しみたい。(前橋とは)バンクの形状も違うし、レースだったりバンクコンディションもあるので、なんとも言えないが、セッティングとかはいじるとこなくこのままいくと思う。G1の前にこういう大きなレースで強い人たちを相手に戦えて良かった」
二次予選敗退の菅田壱道だったが、シリーズ後半に連勝。最終日は逃げ切りで、通算300勝のメモリアルを飾った。
「(3日目の)299勝から、すぐに1日で(通算300勝を)達成で来たんで良かった。これで高松宮記念杯は(300勝のプレッシャーがなく)気楽にいけますね(笑)。初日は疲れもあって体がピリッとしなかった。2日目はコース取りのミス。3日目、最終日は体がしっかりと動いていた。セッティングもこれで間違いはないと思う。まくって良し、逃げて良しだったんでね。全プロ記念の時に清水(裕友)にアドバイスをもらって、ハンドル幅とか、おくりとかを変えた。それがしっくり来ている感じがある。まだ自力でイケるってい感覚もあるし、自分の場合は(G1で)スピードが上がれば、上がるほどいい」
2度のシンガリを喫した町田太我だったが、展開的には致し方ない面もあった。二次予選では圧巻の逃走劇を見せて、最終日も坂井洋に番手に入られながらも2着に逃げ粘った。7月サマーナイトフェスティバルまでは、残念ながらF1まわり。高松宮記念杯に町田の名前がないのは、寂しいかぎりだ。
「(今シリーズは)あんまりですね。ドームと自分の波長が合っていなかった。ドームで(自分の調子も)わからない感じでした。(広島のバンクが使えないので)いろいろ考えて練習をやっています。脚力を全般的に上げたいけど、いまはとくにトップスピードですね。あとは展開がハマらなかった時にしのげるようにならないと。そういう技術を身につけないと」
5月に特進を遂げた篠田幸希にとっては、S級デビューがいきなりの地元でさらに記念。練習では小林泰正、佐々木悠葵らと9車立ての対策をしてきたようだが、S級での実戦はそこまで甘くなかった。3日目にはまくりでS級初白星も、到底満足のできる内容ではなく、重圧を感じ荷が重い4日間でもあっただろう。経験を積んでからの変わり身に期待したい。
「(3日目は)突っ張りが理想だったんですけど、技術不足で下がってしまった。後手を踏んでしまったし、先行の中嶋(宣成)さんを付けて申し訳ないです。まくった手ごたえは悪くなかったんですけど、レース運びが良くない。内容が良くないので、しっかりと勉強します。昨日(2日目)も地元の先輩(佐々木)を付けて緊張もしました。(2日目のあとに小林、佐々木に)的確に教えていただいたのに、それを生かせなかった…」