躍動感あふれる清水裕
ビッグレースで活躍している健脚がそろい熾烈なV争い。狙いは絞りにくいが、連の軸として最も信頼できるのは清水裕友だろう。今年は年頭から切れ味鋭いスピード、躍動感にあふれる攻撃的な走りを披露していて、存在感を猛アピール。獲得賞金ランキングは第3位に付けている。5月武雄記念は未勝利に終ったものの、3走で最終バックを取っていて、動けていた印象だ。自力勝負が基本ながら、町田太我との連係が叶うようなら前を任せよう。その町田は、相変わらずスケールの大きな先行で奮戦している。ダービーは予選を3、4着で上位進出の望みを絶たれたものの、積極的に駆けていた。清水に前を任されれば強気に攻める。主導権さえ握れば強じんな粘りを発揮しよう。
今年は6年ぶりにSS班に返り咲いた深谷知広を重視する手もある。太いトルクが自慢のパワー先行で別線を圧倒するも、なかなか優勝には手が届かずにいたが、5月武雄記念では、今シリーズも対峙する清水、浅井康太らを撃破してV。気分的にも乗っているはず。松井宏佑、松谷秀幸の神奈川勢との連係から勝機を見い出す。
関東勢はSS班こそ不在ながら、ダービー王に輝いた平原康多をはじめ小林泰正、佐々木悠葵の地元勢、ベテラン諸橋愛、自力攻撃冴える森田優弥ら充実のラインナップ。大将格の平原は、10年間維持したSS班を手放した。今年も1月大宮記念準V、4月西武園記念は決勝3着など、地元戦でもVを逃がすもどかしい場所が続いていたが、ダービーでは好展開をきっちりものにして、SS班カムバックを決めた。地元両者も近況はいい。小林はダービーでビッグレース初優参を果たすなど、機動力に磨きがかかった印象だし、佐々木は5月武雄の初日特選は、快速まくりを繰り出して2着。動ける選手がそろっているので、好連係をを決めれば関東勢から優勝者が出る場面は大いにあろう。
佐藤慎太郎、新田祐大、菅田壱道と北日本勢も実力者がそろった。注目されるのは、先頭員早期追い抜きの失格を喫して、しばらく実戦を離れた新田の状態だ。全日本選抜では、初日特選をまくりで制すなど、スピードは折り紙付き。レース勘に問題がないようなら、機動力を遺憾なく発揮し、好勝負に持ち込んでも不思議ではない。
ダークホースは浅井か。この大会は63、65周年を連覇していて相性がいい。ダービーでは二次予選で勝ち星をゲット、5月武雄記念は決勝進出するなど、最近の動きも悪くない。ラインの目標が不在なら総力戦だが、中近スジの三谷竜生との連係が叶うようなら前を任せよう。三谷とは1月大宮記念の準決で連係している。