ピックアップ GⅢ 取手 06/27
意外にも15年のデビューイヤーのチャレンジから地元優勝がなかった吉田拓矢が記念制覇。昌司、有希との兄弟タッグこそなかったが、地元3人を含めて関東勢は5人が結束して厚みのあるラインができあがった。6月に眞杉匠のリードで地元、前橋で記念初制覇の小林泰正が、今度は先導役。昨年8月のオールスターでの眞杉の初戴冠は、周知のとおり吉田拓の頑張りによるもの。5月の日本選手権がそうだったように、この好循環をステージが上がるビッグ戦線にも生かしてきたい。
高松宮記念杯で積極策で近畿のSSコンビを粉砕して、北井佑季に初タイトルをもたらした郡司浩平は、シリーズを未勝利。二次予選では競り込まれた小林令に同県の青野将大の番手を明け渡してしまうシーンもあったが、成績以上の動きだった。最終日は地元の武田豊樹を連れて、赤板からの突っ張り先行で役者の違いを見せた。
「(最終日の作戦は)オールマイティに考えてました。(突っ張り先行で)あんまり慣れないレースだったかもしれないけど、流れのなかでレースをつくれたと思います。2周行って差されてはいるけど、残れてはいるし踏み切れた。こうやってもっと(走りの)幅を広げていきたい。(準決は関東勢が山口多聞、坂井洋の)自力、自力で並んでいたんで、そういう時はとくに早めに掛かり切る前に叩かないとっていうイメージで仕掛けました。今回は新車にして、良くも悪くも感覚をつかめた。あとは練習でもっと煮詰めて、(次の)サマーナイトフェスティバルで戻すかどうか考えたい」
初日特選では別線で互いに単騎となったが、山口拳矢は決勝では脇本雄太の番手に付く選択をした。結果的には脇本が不発も、切り替えた山口は上々のスピードでまくって、関東勢を脅かす3着に入った。
「(決勝は最終)3コーナーに入るまでは(優勝が)あるかもって思ったけど、乗り越える力がなかった。(脇本の後ろは)過去イチくらいピリッとした。顔見せから緊張しました。踏めていたし伸びていた。自転車は4日間、なにもいじってない。体の使い方を意識しました。新しいフレームがくれば、これ以下になることはない。ただ、今度は(別線になった時に)自力で(脇本を)倒さないと。いい経験ができた。これを分岐点にして、(7月からの後半は)頑張りたい」
予選からのスタートになった東口善朋は、シリーズを2勝。しかしながら、準決では、バンクレコードタイの10秒7を叩き出した脇本雄太の加速に、途中から置いていかれて敗退。8月には45歳を迎えるだけに、危機感をもってこう言う。
「脇本君、古性(優作)君っているなかで、自分がどんだけ頑張って衰えずにできるかですね。(準決の脇本は上がり)10秒7ですから。自分は10秒5くらいを出す走りをしないと。同じタイムでは(別線に)振られたりしたら、置いていかれる。ただ、10秒5を出すっていうのは難しいし、道具なりいろいろなもので試行錯誤をしていかないと。年々、衰えていくし、練習だけでは難しい。今回、脇本君と走って、換えたいなって思うものもあったんで、それをやっていきたい」
日本選手権の落車から、今シリーズが復帰3場所目。次回はいよいよ再開する地元、熊本のオープニングシリーズに呼ばれている中本匠栄は、実戦での感覚がなかなか上がってこない。
「(3日目も山田庸平に)自分はただ付いているだけでした。僕の状態が良くないので話にならない。まだまだですね。練習の感覚より、レースの感覚が良くない。回し方だったりに差がありすぎて、ちょっと時間が掛りそうです。練習でもまだ本調子ではないし、このままでは不安しかない。次に向けて少しでも上げていかないと」