勝率が高い櫻木雄
機動力が自慢の若手がそろった。狙いは絞りにくいが、勢いがあるのは櫻木雄太だ。自転車経験が浅く在所成績は69位と下位に甘んじたものの、すぐに頭角を現した。今期に入ると、自慢のダッシュを生かした自力攻撃には一段と磨きがかかり勝ち星を量産。特別昇班に2回の王手をかけながらものにできなかったとはいえ、10Vを含む35勝をあげていて、勝率は驚異の87・5を誇る。未だにチャレンジを走っているのが信じられない選手の代表格で、Vに最も近い存在とみた。
対峙するのは徹底先行で勝ちまくっている稲毛知也。5月奈良1❶着では準決で連勝が7で途切れたものの、決勝は小榑佑弥の特別昇班を阻止している。連がらみの決まり手は85%が逃げてのものだが、奈良の決勝は上がり9秒2の快速まくりを決めていて、単騎戦でまくりに構えても力は発揮できる。
吉田晏生、小榑佑弥の関東勢を重視する手も。191㎝の長身から繰り出すパワー駆けに定評がある吉田は6月宇都宮で今年6V目をゲット。宇都宮は代謝が懸かった選手を連れ込む余裕たっぷりのレースもしてみせた。小榑が付けてラインの競走ができそうなのも強みだ。小榑佑弥もまくりには破壊力があり、昨年の2Vに対し、直近5場所は4V、準V1回の素晴らしい成績。デビュー当初を思えば驚くほど力を付けてきた感がある。
戦歴は山田駿斗も見劣りしない。今期は6V含む32勝をあげている。5月高松の決勝は、荒川達との特別昇班対決に敗れたものの、機動力は一級品。南関同士の望月湧世と別でもタイミング良く仕掛けられれば単も。
動向が注目されるのは坂口卓士だ。45歳のベテランながら、巧みなハンドルさばきと鋭い差し脚を発揮し、今期は5V。初手から南関勢あたりに目標を絞るのか、それとも展開に応じて好位を目指すのか、果たして。