• 福井競輪場開設74周年記念不死鳥杯7/20〜7/23

インサイドレポート・シリーズ総評

ピックアップ GⅢ 福井 07/20

谷口力也

谷口力也

 6月の佐世保、高松とF1シリーズではオール7着と苦戦を強いられていた谷口力也であったが、今シリーズは別人のように動きが一変。シリーズ3日目は単騎でうまく流れに乗れたこともあって1着を取ったが、最終日は圧巻の逃走劇でシリーズを締めくくった。

 「西武園記念のあとに風を引いて40℃弱の熱が出てしまって、1週間ぐらい家で寝込んでいました。その前の松山記念ぐらいは調子が良かったんですけど、そのあとの前橋で腰痛もでてしまっていたので、ダブルパンチでした。点数がないのでいつも相手が強くて難しい先行になるのは当たり前なんですけど、久々に逃げ切れたのは自信になりますね」

 21年デビューで地元の熊本バンクを走ったことのない世代。ようやく8年ぶりに熊本競輪場が再開して、ファンの前で走る日を心待ちにモチベーションも上がっている。

 「状態はちょっとずつ戻ってきていますけど、まだ今の点数と脚じゃ呼ばれないと思うので。もっと点数も上げて呼んでもらえるように頑張っていきたい」

林敬宏

林敬宏

 初日のまくり追い込みでS級初勝利を挙げた林敬宏。近況の成績を考えればそれだけでも驚きであったが、二次予選では打鐘から主導権取りに出ると、地元の寺崎浩平にこそまくられてしまったが2着で準決勝に進出を決めた。3日目は単騎で苦戦を強いられたが、最終日は反省を踏まえて単騎でも攻める意識を持って奮闘した。

 「最近はいろいろなことをやっていて。体の使い方だったりトレーニング方法だったり、いろいろなことを学びならがら試していたんですけど。ちょうど1年前ぐらいから五体治療院に行きだしてS級点も取れたので。一年前より先生の言ってくれることだったり、師匠の山内(卓也)さんに言われることもわかってきて。(五体治療院の考え方)一つに絞ろうと思って。今回はいい頃のフレームとセッティングに戻して。2日目は今までで(先行した時での)一番いいタイムも出ましたし、自信になりました。(3日目と最終日は)単騎で走ってラインの大切さも改めて感じたので。ついてもらえるように。次は川崎のF1でまた7車立てになるけどそこでも頑張りたい」

山岸佳太

山岸佳太

 今シリーズの山岸佳太は初日に打鐘からのロングスパートでラインで確定板を独占し、2日目は強敵の脇本雄太を相手にも怯むことなく判断良く攻めて2着に入線と、上々の仕上がりであったからこそ準決勝の失敗を悔やむ。

 「今回はウィナーズカップ以来の9車立てだったので、いつも以上に組み立てをしっかりと考えて走ろうと思っていたんですけど。一番大事なところ(準決勝)で新人みたいな失敗をして、悔やんでも悔やみきれないんですけど。新山(響平)君だったり、寺崎(浩平)君だったり、トップスピードが高い選手を相手にどう戦うのか。もっと9車立ての走りを研究していかないと。外枠だからスタートでいい位置が取れないっていうのも言い訳なので。G1に行ったら当て馬で、外枠は当たり前。その中で勝っていくためにやっていかないと」

 昨年12月の伊東記念で落車したときに左膝を痛めてしまい調子を崩してしまっていたが、徐々に練習の強度も上げていて成績が示す通り体の悩みがなくなってきたからこそ現状の課題にも向き合える。

 「まだウエイトは軽めにしかやれていないんですけど、自転車に乗る練習の強度は上がっているので。最近は番手も増えてきて自力で動けるチャンスが少ないからこそしっかり走ろうと思っているので。最終日も自分の甘さが出ましたし、今の走りじゃ眞杉(匠)や(吉田)拓矢の番手を回れない。(自力でも番手回りでも)どっちも精度を上げていかないと」

岸田剛

岸田剛

 今年の3月に地元の福井バンクで特別昇級を決めてS級に昇格した岸田剛。もちろん今年が初めての地元記念であったが、準決勝まで勝ち上がると、同門の脇本勇希の前で一肌脱いだ。最終日は初日にも連係した渡辺十夢とのリベンジ戦であったが、しっかりとワンツーを決めて人気に応えてみせた。

 「初日はめちゃくちゃ緊張してしまって、ガチガチでした(苦笑)。でも師匠(脇本雄太)にアドバイスを貰って。緊張しないように呼吸法も試したりして。終わってみれば意外と早い4日間でした。(準決勝を振り返り)去年は勇希がその役回りだったので、今年は自分がと思って頑張りました。自分も頑張っていればそういう時が来ると思うので。初日に十夢さんと一緒の時に失敗したので、最終日は決められて良かったです。でもやっぱり末脚が甘いですね。4日間とも先行できたのは良かったんですけど。最近は先行でもまくりでも差されてしまっているので。もっとトップスピードの維持ができるように。そこが今の課題ですね」

 昨年の近畿地区プロの1000mTTで寺崎が持つ記録を破り大会新記録を叩き出した逸材で、今後の活躍に期待は膨らむばかり。課題克服に務めて戦いのステージを上げていく。

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