• 小松島競輪場開設74周年記念阿波おどり杯争覇戦7/4〜7/7

インサイドレポート・シリーズ総評

ピックアップ GⅢ 小松島 07/04

 2車のラインだった犬伏湧也が、8番手まくりで地元記念を初制覇。初日特選同様に清水裕友とは別線を貫き、同地区での“引っ張り”にも頼らずの優勝をもぎ取った。「獲れる時に狙っていくのも1つの作戦。自信をもたせていった」とは、小倉竜二の言葉。後方に構える肝の据わった犬伏の運行は、小倉が後ろにいたからこそできた業。それを当たり前のごとく許容できる小倉の器の大きさをあらためて感じた決勝でもあった。

室井蓮太朗

室井蓮太朗

 6月の松山で3場所連続完全Vを遂げて特進でA級を卒業した室井蓮太朗は、十分なトレーニング期間を経て、地元記念でS級デビュー。一次予選で敗退したものの、2日目以降は3日間バックを取る積極策。最終日は逃げ切りで、S級初勝利を挙げた。

 「(最終日は)まさか逃げ切りで1着とは思ってなかったです。初日、2日目は自分のレースができなくて、3日目は逃げられたけど残れなかった。3日目が終わったあとに、(同期の)大川(剛)さんからホームで踏み過ぎだって言われた。今日(最終日)は、ホームで上げ過ぎずに、コーナーとセンターでちょっとずつ上げていく感じで駆けられた。それで自分のもつペースで駆けられました。でも、番手の人にかなり仕事をしてもらっての1着だし、理想はもっとスピードが欲しいです。S級の方が、A級よりもペースが早くて、自分で立ち上げなくていいんで走りやすいですね。今日の1着は自信になったけど、後ろが仕事をしないでも自分が逃げ切れるくらい強くなりたい」

安彦統賀

安彦統賀

 安彦統賀は、シリーズを9着。3日目には3番手奪取からの早めの追い込みでS級初勝利も、今期が初めてのS級。初場所の記念シリーズで、課題も多く見つかった。

 「ヨコだったり、内に行ったりはやらないで勝ちたかったんですけど。自転車があんまり良くなくて、状態が良くないなかでした。2場所前から、S級を見据えて、フレームを換えたんですけど、それがまだ乗りこなせていない。S級の動きに対応できるように、前のものよりも(サイズが)詰まったフレームにしました。開催中にステムを伸ばしてみて、ちょっと良くなりました。まだ9車立ての競走に慣れてなくて、中途半端なところがある。気持ちの面で余裕をもててなくて、道中でムダな脚を使ってしまっています。とりあえずは、壁にぶち当たるまではA級の時と変わらずに、しっかりした自力でやりたいと思っています」

福永大智

福永大智

 一次予選をまくりで白星スタートの福永大智は、二次予選では深谷知広の後ろで諸橋愛とからみ、3日目は東龍之介を相手に大立ち回りを演じた。最終日には逃げて貴志修己とのワンツー。成績以上に福永の大いなる可能性を感じさせる4日間でもあった。

 「今日(最終日)は引いてなにも考えずに、詰まったところで行こうと。感覚的にはあんまり伸びてなかった。自転車が進んでないですね。(3日目は東のところで)スピードが合ったんでバックを踏むよりと思って、ああいう風になりました。今回は次(サマーナイトフェスティバル)に向けて新車にして、クランクも短くした。まだ慣れないですね。前に踏まないとわからないし、これでわかったこともあるんで良かった。当分はこれでいった方がいいのかなと。これを使いこなせるようにしたい」

山口多聞

山口多聞

 今シリーズが追加配分の山口多聞は、前回の取手記念から中2日。続けての4日制だっただけに、さすがに元気いっぱいというわけにはいかなかったが、競走では二次予選で新田祐大を苦しめて、シリーズ後半は逃げ切りで連勝と上々の内容だった。

 「(3日目は)結果が出てないので、あんまりいい手ごたえはない。ただ、内容は悪くないので、そこを生かしていきたい。(前回から)中2日っていうのがいままでで一番短いスパンだし、両方とも記念なので(前回の取手とは感覚が)ちょっと違いますね。(最終日も)全体的に重かった。思った以上に(スピードが)上がらなかった。自分はまだ自信をもって駆ける距離が短い。距離もそうですけど、トップスピードも上げていかないと」

ページトップへ