躍動感あふれる清水裕
高松宮記念杯は西準決で4着。残念ながら今年初めてビッグレースで決勝を外した清水裕友だが、今年は年頭から高いレベルの成績を修めていて、獲得賞金ランキングは第4位につけている。好位置をキープしてのまくりが勝ちパターンながら、高松宮記念杯の西二次予選は逃げて2着。後続の桑原大に差されたものの、上がりタイムは11秒2と優秀だった。躍動感にあふれる自力攻撃は破壊力満点だし、番手戦もそつなくこなす。優勝に最も近い存在とみて中心視した。
この大会で最も活躍しているのは地元勢だ。69~73周年の5大会は、いずれも地元勢が3名以上、決勝にコマを進めていて、69~71周年は優勝もゲットしている。今年も犬伏湧也、小倉竜二、阿竹智史、島川将貴と充実のラインナップ。先導役を務めるのは快速を誇る犬伏だ。最近は一息不足の場所が続いていたが、高松宮記念杯着の動きは復調を感じさせた。予選の3走はすべて先行しているし、西準決も脇本雄をまくれなかったとはいえ、襲い掛かったスピードは素晴らしかった。地元勢を上位独占に導く競走を演じられる状態にある。束ねるのは重鎮の小倉だ。高松宮記念杯で落車したのは気になるが、体調に問題がなければ、百戦錬磨の経験値を活かして優位にレースを進めよう。68周年から6年続けて優参を果たしている実績はひときわ光る。
6年ぶりにSS班に復帰した深谷知広は、快調なペースで勝ち星を稼いでいる。高松宮記念杯着、優参は成らずも4勝していて、今年は早くも27勝の荒稼ぎ。仕掛けがツボにはまれば首位に躍り出ても不思議ではない。南関では岩本俊介も動きがいい。ダービー❷着は今年の充実ぶりを猛アピールしていたし、高松宮記念杯の東一次予選1では、深谷のまくりに続いて南関ワンツーを決めている。ただ、東二次予選で落車していて、体調には一抹の不安が残る。
新田祐大、佐藤慎太郎、渡部幸訓とそろった福島トリオも好勝負が期待できる。全日本選抜での先頭員早期追い抜きのため、長欠を余儀なくされた新田だが、復帰後は6月前橋記念1着、高松宮記念杯着。決勝には乗れていないものの、快速は相変わらずで、高松宮記念杯の最終日は、上がり11秒フラの超速まくりを決めて2着以下を7車身千切った。一発の魅力を秘めている。
今年は飛躍を遂げた小林泰正にも食指が動く。ダービーでG1初優参を果たすと、6月前橋記念では4連勝でG3初Vを達成。更に高松宮記念杯も決勝に乗っている。勢いがあるので、うまくレースの流れに乗れるようだと怖い。
最近は4月川崎記念で優勝した時のような脚勢ではない嘉永泰斗。だが、底力はあるので、調子が戻ってくれば優勝争いを賑わす。