ピックアップ GⅢ 川崎 10/11
郡司浩平、北井佑季、松井宏佑ら寬仁親王牌出場組が不在のなかで、3人が決勝にコマを進めた地元勢。4車の南関ラインの先頭を務めた佐々木眞也の頑張りを無にすることなく、福田知也、和田真久留のワンツー決着で幕を閉じた。同じ日程で行われたナイターの別府G3でも、九州が6人で結束して上位を独占。地元の大西貴晃が、S級初Vを果たした。川崎、別府ともに数的有利を生かした地元勢の勝利。勝ち上がりでどれだけコマをそろえることができるかが、大きな鍵にもなる。が、そういった意味では、一次予選で敗退の金田涼馬は不本意なシリーズだっただろう。しかしながら、今期初S級の金田は、最終日にまくりでグレード初勝利を飾った。
「今回、G3が2回目で、地元でのグレード初勝利はうれしいですね。できることなら師匠(内藤秀久)がトークショーの2日目に勝ちたかった。(最終日のまくりは)練習でも出ない感じで良かったです。何年ぶりかっていう出でした。前回、前々回は流れが良くなくて、着を取れないにしても自分の力を出し切るっていうことができなかった。そういう反省点を(今シリーズに)生かしてと思っていました。来期はA級なんで、(来々期に)A級で連チャンにならないように、今期はしっかりとこのあと(S級の)点数を取りにいきたい」
人気を集めた一次予選は、まさかの不発でシンガリに散った山口多聞。別線の厳しい包囲網に苦労しながらも、2日目以降はオール2着。そのうちの2回が同県の先輩とのワンツーなら、合格点だろう。
「(最終日の先行にしても最終ホーム付近の)あそこは自分のペース的に来られてもおかしくないし、もっとペースをつくっていかないと。連日、デキが良くなくて、自信をもっていけなかった。(8月の小田原の)落車からいろいろと探りながらやっている。直後よりは良くなっているけど、前と同じ感触っていうわけにもいってない。(体と自転車の)両方ですかね。あんまり言い訳にしたくないけど、そこをブラッシュアップしていかないと。1班の点数のボーダーにいるけど、そこはとくべつ意識することなくやっていきたい。取れた点数が実力だと思うので、自分の走りをしっかりと」
直近の競走得点を98点台まで落としていた橋本壮史だったが、フレームを換えた今シリーズは2連対。最終日のまくりに好感触を得て、ようやく光が差した。
「いままでのフレームだと正直、頭打ちなのかなっていうのがあった。それで、たしか5月の宇都宮くらいからだと思うんですけど、新しいフレームに換えました。G1だったりもっと大きいところで通用するようにと思って、新たな試みとしてこの半年間くらい別のフレームを使っていました。6月福井の準決で感じも良くて逃げ切れたんですけど、あれよあれよで(競走得点を)6点も落としてしまいました。今回から以前のフレーム戻してみたら、今回は思いもよらない収穫がありました。このフレームではほとんど突っ張りか押さえ先行しかやってこなかったんですけど、今回みたいに同じ徹底先行タイプがいる場合は前を取れないと後ろ攻めになってしまう。そうなると前回まで乗っていたフレームだとカマシもまくりも出ない。先行態勢に入れればあっちの方がいいのかなっていうのはあった。でも、こっちのフレームに戻したら、思った以上にスピードが出たのがビックリしました 」
纐纈洸翔はG1初出場となった8月のオールスターから、今シリーズが6場所連続でのグレード戦。9車立ての組み立てにも、変化が見て取れた。一次予選から準決までの勝ち上がりの3走では、すべて積極策を披露。最終日こそ内に包まれて不発も、シリーズを通してインパクトを残した。
「欲を出しても仕方ないので、(準決でも主導権を取って)いきましたけど。(赤板2コーナーで)ちょっと安部(貴之)さんに引っ掛かるような感じになって、(打鐘と最終バックで)2回、風を受けることになってしまった。ただ、久しぶりに長い距離を踏めているんで、そこはこれからにつながっていくと思います」