• 川崎競輪場 大阪・関西万博協賛競輪10/11〜10/14

後記 GⅢ 川崎 10/11

2度目のG3制覇はホームバンク

福田知也

福田知也

決勝優勝写真
決勝優勝写真
決勝優勝写真

 ラストの直線は、イエローラインをなぞるようにまっしぐら。福田知也が、Vロードを駆け抜けた。
 「(優勝の)実感はあんまりないですね。普段やらない中割りみたいのが、最近できるようになった。昨日(3日目)、今日と(7月の)平塚の決勝とかですかね。今日はかなりいい感じで突っ込めて、その辺の成果が出た」
 追い込みでありながらも、できることなら外を踏みたいタイプ。ただ、ホームバンクで福田が見ていたコースは違った。
 「(和田)真久留君の内が一番伸びるかなって。真久留君の勢いをもらいながら、ぶつかりながらでも踏めば。(自分が踏んだところが)“川崎コース”だった」
 地元トリオの後ろを石毛克幸が固めて、4車の南関ラインができあがった。しかしながら、別線の機動型は、藤井侑吾と北津留翼。一筋縄ではいかないことは、わかっていた。打鐘過ぎに佐々木眞也が主導権を握ったが、すかさず藤井が襲い掛かる。中部勢に単騎の諸橋愛が続いて3車で佐々木をとらえると、和田はワンテンポ置いて4番手にスイッチした。
 「先行はたぶん藤井君だろうと。でも、(佐々木)眞也君がジャンで叩いてくれた。その頑張りも、僕の優勝につながりました。ただ、(藤井が叩き切って)もう勝負どころが過ぎてしまった。真久留が切り替えてくれて、冷静に対処してくれた」
 藤井にわずかに車間が空いた山口富生はいっぱい。3番手にいた諸橋が、最終2センターから追い込む。福田は瞬時の判断で、諸橋と和田の間に進路に進路を取った。
 「自分の長所はタテ脚だと思っているので、そこを殺さないように。けど、セッティングを(突っ込める)そっちの方に寄せた。前回の立川から煮詰めて、(今シリーズの)2日目に藤井の後ろに付いて、(セッティングが)あとちょっとだなって。それが昨日のアップ中に出た」
 自転車のセッティングに答えを出して迎えた決勝。近況は競走得点を落として101点台まで落としていたが、諸橋をつかまえた差し脚はその点数の脚ではなかった。
 「あそこを踏めれば、あんだけ伸びるんだなっていう実感もあった。外じゃ届かなかった。地元の応援も力になりました。点数が落ちちゃって、(優勝まで)トントンと来たけど、周りの人に支えられて優勝ができた。G3で点数を落としていたのも自覚している。9車立てでも戦えるように、コツコツやって1班の点数を確保したい」
 優勝から2年も遠ざかっていたが、自身の進化を感じた地元V。88期の福田が衰えるにはまだ早い。

 最終2コーナー手前で切り替える選択をした和田真久留は、前とのスペースが空いて思うように伸びなかった。
 「まだ(最終)ホームだったし、眞也も地脚タイプなので迎え入れたい気持ちがあった。けど、その辺りが自分の甘さですね。(叩きに来たのが中部勢の)2車だったら良かったけど、諸橋さんも来ていた。迷って切り替えたぶん、前とも車間が空いてしまった。バックの向かい風がキツくて、踏んでるけど出なかった」

 単騎の諸橋愛は、藤井ラインを追走。和田が真後ろから迫り、最終2センターから踏まざるを得なかった。
 「(山口)富生さんが離れていたし、早めに仕掛けないとなって。早めに踏むハメになりました。(藤井が)赤板でも行きかけてやめて、あれで脚を使った。最後はいっぱいだった。残念ですね。勝ちたかったけどですね。でも、頑張っていれば、そのうちいいこともあると思うんで」

Race Playback

レース展開4
 地元の福田知也選手が、中のコースをシャープに伸びて優勝。2着も地元の和田真久留選手が入り、諸橋愛選手が3着。

レース経過

誘導員 : 三住博昭

 スタートで山口貴弘が飛び出して誘導員を追う。道中は、北津留翼-山口貴、佐々木眞也-和田真久留-福田知也-石毛克幸、藤井侑吾-山口富生、諸橋愛の並び。 青板バック過ぎから藤井が上昇すると、2センター手前から佐々木がしきりに藤井の動きを警戒。赤板過ぎで北津留が踏み込むと誘導員が退避し、藤井は7番手に戻る。2コーナーを立ち直ったところから、前との車間を空けていた佐々木が一気にスパート。打鐘で北津留を叩き、南関4車が前に出たが、南関勢の動きに乗っていた藤井がすかさず巻き返し、最終ホーム付近で佐々木を叩き切る。藤井に口が空きながらも山口富がなんとか追走し、その後ろには単騎の諸橋が続き、叩かれた佐々木後位から和田が切り替える。2センター手前から諸橋が踏み上げていくと、和田はその外を踏み、福田が諸橋と和田の間に入る。直線半ばで諸橋が藤井をとらえたが、そのすぐ外を鋭く伸びた福田が地元V。和田は福田に踏み負けて2着。諸橋が3着。

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