ピックアップ GⅢ 四日市 11/07
中野慎詞の強力なダッシュと数的有利を生かして、4車で結束した北日本勢の番手から新山響平がS班になって初めて優勝。番手飛び付きを目論んだ寺崎浩平だったが、4番手の大森慶一をさばくので精いっぱいだった。結果的には3着も、佐藤慎太郎は中野、新山の踏み出しに付け切った。「ほかのラインの自力選手が踏んでおけば、ちぎれて来るだろうって。そういうのを期待しているところもある。だから隙は見せないように。今日(決勝)は(新山)響平が確実に優勝を獲りにいったので、あれが現状では限界かな。響平はグランプリの賞金で切羽詰まっているところもあるんでね」。獲得賞金でのグランプリ出場争いの真っただ中にいる新山の胸中を理解して、佐藤は振り返った。
一発勝負のルーキーシリーズプラスは、山崎歩夢が圧巻のロングまくりを披露。本格デビューの7月初戦で、誘導の早期追い抜きの失格による4カ月のブランクがあって、ここが復帰戦。出世争いには遅れを取っているものの、上のステージで戦う栗山和樹、遠藤拓巳を相手にしなかっただけにモノが違った。
「残りの1周半で(誰も)来なかったら、先行しようと思っていた。そしたら(久田朔と谷内健太が)切りに来たので入って、自分のペースでまくろうかなと。単騎なので、全力で行ってもまくられちゃうので、途中、途中は流しながらでした。ここまでの4ヶ月しっかり練習していたので、自信につながって走れましたし、いい感触だったと思います。久しぶりの競走で楽しく走れましたけど、不安が大きいなかでのレースでもありました」
ホームの四日市G3は6度の優勝を誇る浅井康太だったが、準決は番組にも泣かされて4着で涙をのんだ。直前にはヒザ痛にも見舞われたが、シリーズを通しての動きは悪くなかった。
「ここに来る前にヒザを痛めて、自転車に乗ってしまえばいいけど、立てないような状態だった。普段やらないところを(マッサージ)やったら、そこがゆるみすぎてしまった感じです。背中まわりをケアしたら、歩けるようになった。それで初日からどんどん修正していった。(ヒザ痛で)アカンところも見つけることができた。(競輪祭までは)養成所での講義もあるけど、いまの状態でやっていければいいんじゃないかと思います」
「これを2日目にやれよっていう話ですよね」と、最終日の逃げ切りを振り返ったのは、吉田有希。二次予選は痛恨の組み立てで、佐々木悠葵、丸山直樹とともにラインが全滅。そこからは眞杉匠の言葉もあって、3日目、最終日は先行策からの押し切りで、らしさを見せた。
「眞杉さんにもったいないって言われて…。またG1で一緒に走ろうよって言われたのが響いた。関東を引っ張っているのは眞杉さんだし、お手本ですから。自分だけの力じゃない。ラインがあっての先行なんで。それに先行しないと先行の感覚を忘れちゃうんで、甘くないのはわかってはいるしやっていかないと。眞杉さんはグランプリがかかっていて、人のことを気にしている場合じゃないのに、声をかけてくれたのは本当にありがたいですね」
一次予選は突っ張り先行策に出るも、別線との踏み合いにシンガリ惨敗。初日にまさかの勝ち上がりを逸した町田太我だったが、その後は2勝をマーク。競輪祭に向けて投入した新車も、及第点には達したようだ。
「今日(最終日)はめちゃくちゃすんなり(先行できたの)で、脚には余裕がありました。(自転車とセッティングには)まだ悩んでいます。今回から新車で軽いヤツにして、アタリの重いチェーンとかに換えてみてやったんですけど。次の競輪祭でも、とりあえずこの自転車を使うつもりではいます」