躍動感際立つ眞杉匠
SS班4名が参戦するが、最も勢いがあるのは眞杉匠だ。後期に入ると勝率が急上昇。サマーナイト、共同通信社杯とG2で2Vを達成していて、直近4カ月の勝率はジャスト5割。9月青森記念着、寬仁親王牌着など、最近も力強い走りを披露している。素晴らしいスピード、ダッシュ力を効かした自力攻撃は破壊力抜群だし、ヨコも強いので後手を踏まされるレースは少ない。豪快な仕掛けで別線を圧倒しよう。佐々木悠葵も自力基本の競走だし、最近は積極的なレースが目立つが、寬仁親王牌ではローズカップ、準決ともに眞杉に前を任せている。ローズカップは眞杉の仕掛けに付け切れず連結を外したが、準決はきっちり続くと、最終2センターから自ら踏み込んで勝ち星をものにしている。逃げた松井宏に眞杉が襲い掛かって激しいつば競り合いになる中、犬伏湧のまくりを止めてからまくり気味に出たレースは鮮やかだった。眞杉の仕掛け次第では逆転望める。
戦力が最も整っているのは北日本勢だろう。新山響平、佐藤慎太郎のSS班コンビをはじめ、レース巧者の守澤太志、パリ五輪に出場した中野慎詞。先行型、追い込み型がバランスよくそろっている。昨年に続き、今年もまだ優勝に手が届いていないのは不思議な新山ながら、G1の5大会は、ダービー以外は決勝に進出。スケールの大きな競走で先行力を猛アピールしている。中野はパリ五輪のケイリン準決で落車。オールスター、共同通信社杯を欠場したが、世界選に出場しただけに体調にはもう問題ないだろう。佐藤と守澤はまずまずの近況。好展開が巡ってくれば連に浮上しよう。
今年は順調さを欠いた松浦悠士だが、ここに来て調子を上げてきた印象だ。9月岐阜記念で優勝すると、10月熊本記念は着と確定板を外していない。更に寬仁親王牌では優参を逃がしたものの、ローズカップにコマを進めていて、最終日も白星で締めくくった。持ち味である自在戦を奏功させてのVゲットの場面は考えておきたい。
地元のエースはもちろん浅井康太だ。ホームバンクの当所では素晴らしい実績を残している。昨年は4月にベイサイドナイトドリーム(G3)を制すと、11月には大会5V目となる72周年を手中に修めた。ここは寬仁親王牌の一次予選(1着)で目標にした同門の谷口遼平に前を任せて勝機を見い出す。
スピード非凡な寺崎浩平を村上博幸、三谷将太が盛り立てる近畿ラインも侮れない。寺崎は調子も良好で、寬仁親王牌の準決では、新山の逃げを8番手からのまくりで仕留めて勝ち星をゲット。だが、村上は寺崎に続けず近畿ワンツーを決められなかっただけに、ここはきっちり追走して汚名返上したい。