ピックアップ GⅢ 防府 11/01
防府記念7連覇をかけて挑んだ清水裕友だったが、決勝は力及ばず5着に終わった。これまで、地元の期待を一身に背負ってきた清水のプレッシャーは計り知れない。だが、その清水を支えたのもまた、防府の暖かいファンの声援だった。決勝の後に向けられた、労いの拍手を励みに、また清水は厳しいトレーニングを積んでいくのだろう。
京王閣記念に続いて、今節もルーキーシリーズプラスが最終日に行われた。今回は126期によるガールズケイリン。在所ナンバーワンの仲澤春香は、本格デビュー後も並み居る先輩期の強豪を打ち倒して、すでに6Vを達成。今回もその実力を遺憾なく発揮して、圧巻の逃げ切り勝ちを収めた。ナショナルチームと練習を共にする新鋭の活躍から、今後も目が離せない。
「グレードレースを走らせてもらうのは、初めての経験で、昨日(3日目)の最終レースを見ても、こんなに盛り上がるんだって思って鳥肌が立った。自分も、大きい舞台で力を発揮できる選手にならないと。自分は、正確的に焦っちゃうところがある。周りを見ながら、落ち着いて走るっていう部分は、先輩と比べて欠けていると思います。理想は、どういう展開になっても対応して、流れに乗れる選手になりたいです。少しずつ自分のレベルを上げて、大きいところで活躍できる選手になりたいです」
大西貴晃は、10月別府G3で、G3ウィナーの仲間入りを果たした。その別府は4日間を番手で戦っていただけに、直後の今節の立ち回りは大事なものだった。初日はカマシ先行で2着に逃げ粘り、最終日は番手回りから献身的な援護を見せた。
「原田(研太朗)さんの一撃は、あると思っていたし、車間を詰めた勢いで持っていったけど、33で人の後ろを回った経験が浅い分、超えられてしまった。そこは自分の技術不足なんで、反省したい。あそこで番手まくりしても、すぐに人の後ろは回れなくなると思う。自力の信用があっての番手だと思うので。自分は自力で走って、結果を出せていない。逃げられる時は逃げていかないと、まくりも決まらない。自力で結果を出せるくらい脚を付けて、ハコを回っても信頼される選手になりたい」
月森亮輔は、9月富山F1で新車を投入したものの、感覚が合わず、10月川崎G3の2日目に元のフレームに戻した。そこからは、10走して5勝の固め打ち。好調の要因は、フレーム以外にもあるようだ。
「やっぱりこっちのフレームの方が良いですね。軽いです。それと、最近は良い練習ができている。隅田(洋介)さんと一緒に練習してます。午前はバンクで練習して、午後に街道に行く。最近は人も増えてきました。今まではずっと一人でやってたんですけど、人と一緒に練習すると全然違いますね。ここ一カ月くらいなんですけど、すごい刺激をもらってますね。質問すれば、アドバイスもしてくれますし。単純に、練習の質が上がりました
山口拳矢は、今節に来る前に父の幸二氏(62期引退)と共にペダリング改良に着手。準決はカマシで後続を引き離したが、番手が離れる不運もあって、6着に沈んだ。ただ、次につながる手応えを得た。
「(準決は)タイムも悪くなかったし、回すところと、踏むところのメリハリがあって良かったと思う。感触としては、ここ最近にないくらい良かったですね。今までは踏み過ぎている部分があったし、力を入れるところと、抜くところのメリハリがついた。ただ、一人になったとしても押し切れるぐらいの脚力がないとだめなんで。準決、最終日と、しっかりと仕掛けての結果なんで、気持ちも上向いたと思います。競輪祭まで空くんで、一番良い状態まで仕上げていきたい。もちろん、優勝しかSSでいられるチャンスはなんで、そこだけを狙いたい。狙いつつも、気負い過ぎないようにしたい」