7連覇にまい進する清水裕
この大会では、圧倒的な存在感を示している清水裕友が今年も主役を張る。69周年で初Vを飾ると、その後もVを積み重ね、昨年は怒涛の6連覇を達成した。4日制G3の6連覇はもちろん新記録で、今年は記録更新の7連覇にまい進する。共同通信社杯の落車で横突起を骨折し、10月熊本記念を欠場。復帰戦となった寬仁親王牌は状態が注目されたが、結果は着。準決は突破できなかったものの、先制した北井佑、郡司浩の3番手をキープしていたし、最終日は北井の出ハナを叩いて先手を奪い、後続の松浦悠を勝利に導いていて、動けていた印象だ。この後は10日間の間隔があるので、更に調整は進むはず。万全の体調で参戦する公算が大きい。中国勢は戦力も整っていて、前を任せられる太田海也、取鳥雄吾の岡山勢、同県の大ベテラン桑原大志が控えている。中でも太田は、自転車競技で大活躍している快速レーサーだ。デンマークで開催された自転車トラック世界選手権では、スプリント、チームスプリントで銅メダルを獲得する快挙を成し遂げている。本業の競輪はあまり走っていないが、昨年はヤンググランプリを制しているし、今年はオールスターで3勝。清水に前を任されれば強気に攻める。
寬仁親王牌着の動きは今ひとつだった深谷知広だが、この開催の走りだけで評価は下げられない。10月熊本記念❶着、決勝で上がり11秒フラの超速まくりで前団を飲み込んだレースは圧巻だった。獲得賞金ランキングは第10位(10月20日現在)に付けている。昨年に続いてのグランプリ出場に向けて大事な開催となるだけに、是が非でも結果を出したい。好スパートを決めてのVゲットの場面は考えておきたい。
吉田拓矢、杉森輝大の茨城コンビに神山拓弥、武藤龍生とそろった関東勢も好勝負が期待できる。寬仁親王牌では二次予選Aで無念の失格を喫した吉田ながら、6月取手記念でV、サマーナイト、8月富山記念はいずれも準V。競走得点は今シリーズ第3位で、実力はSS班に引けを取らない。関東ラインの先頭で、総力戦で活路を切り開く。杉森も9月京王閣で優勝をものにすると、10月別府G3は1❺着と決勝に乗っていて、調子は良好。直近4カ月の連対率は5割を上回っている。
10月熊本記念はやや動きが重かった山口拳矢だが、寬仁親王牌でのスピードは悪くなかった。二次予選Aでは鋭い伸びを披露して勝ち星を手にすると、準決は3着と2分の1輪差の4着だった。スピードの切れには素晴らしいものがあるので、うまくレースの流れに乗って自力を出せれば一発がありそうだ。