ピックアップ GⅢ 松山 12/05
4日間を通して、ホームに強い向かい風が吹いた今シリーズ。最後の直線を入れると、合計3回の向かい風をもろに浴びることになる前受けからの突っ張り先行。並たいていの脚力では完結することができず、町田太我でさえ一次予選で7着に沈んだ。それ以降400バンクにしては、突っ張りがあまり見られないシリーズでもあった。一次予選でのその町田をまくりで仕留めた宮崎大空は、10月に3場所連続の完全V。わずか4カ月でS級に返り咲いた。二次予選では深谷知広を苦しめて準決に勝ち上がり、最終日にはシリーズ2勝目を挙げた。
「結局は練習ですね。練習量を増やしました。6月は鎖骨が折れてたんで、(熊本の)バンクができて、それからはしっかり練習した。記念で2勝は初めてですね。準決までいけたのも初めてだった。小倉(竜二)さんは、めちゃくちゃ好きな先輩の一人。(準決で)付いてもらえてうれしかったし、絶対にやってやろうって思った。7車立てはダッシュ勝負になるから、自分の脚質的に嫌いなんですけど、9車は流れがあるから好きです。人のスピードをもらえる。初日に町田を倒して自信がついた。いまはしっかり練習しているので、もっと自信をもって走ります」
8月の当所G3では決勝にまでコマを進めた真鍋智寛だったが、トータルで相手が強化された記念は勝手が違ったようだ。シリーズを1着。2連対を果たしたものの、地元記念で悔し涙をこらえきれないシーンもあった。
「初日に1着でいいスタートを切れた。けど、2日目はダメで、ラインに迷惑を掛けてしまった。3日目はなにもできなくて、気持ちが切れかけてた。でも、今日(最終日)は、絶対に力を出し切ろうと思っていた。納得できるレースがしたかった。(失格した)濱田(浩司)さんには迷惑を掛けてしまったけど、力を出し切れたんでつながると思う。次はヤンググランプリなんで、悔しい気持ちをもって練習していきたいです」
新車を投入した山賀雅仁の今シリーズ。“ニューヤマガ”と自らをうたっていたように、久々に記念優出をとげて結果を出した。それだけに手ごたえが気になるところだ。
「(新車は)僕が1回目に(練習で)乗った時に良かった。そしたら組んで2回目の時に成清(貴之)さんが練習に声をかけてくれて、成清さんにも試してもらった。そしたらいいって言ってもらえたし、自分の感覚も間違いなかった。体にもなじむようになっているし、いまのところはいいんだと思います。(今シリーズ)1回くらい自力でもやってみたかった。とりあえず人の後ろではいいです」
3日目からの補充ながらも動きの良さが目を引いた木村直隆は、着。単騎の3日目はアッと驚くホームガマシを見せて、直線勝負を演じた。今期は補充参戦も多く、次の正規配分の12日からの玉野も含めて、好配当メイクに期待したい。
「昨日(3日目)、(積極的に)行った分、最終日は調子が良かった。それで体が反応してくれた。(今年)前半は落車して不甲斐なかったけど、いまは練習でも先行、まくりでやってタイムも出ている。練習では先行、まくりしかしてない。自力がないと、追い込みもできない。流れを変えるつもりで(補充に)いってたら体の状態も上がっていった。セッティングも開き直っていろいろやったら良くなった。来期に向けてっていう感じだけど、次の玉野でも穴を出せるように」