ピックアップ GⅢ 奈良 02/08
松阪記念、高松記念と2週連続の記念Vで、郡司浩平は今年のロケットスタートを切った。だが、その勢いを止めたのは、松阪記念で辛酸をなめた古性優作だった。初日特選は飛び付きで、最小限の動きで位置を強奪。決勝戦も、「(事前に)郡司のところに行くつもりは一切なかった」と、瞬時の判断ながら外からキメた。結果は松井をとらえ切れずの準Vだったが、古性は、全日本選抜を直前にして、最大のライバルに待ったをかけた。

五十嵐綾
初日の11レースで近畿勢をまくり、あっと言わせた五十嵐綾だが、二次予選、3日目と、9着続きで、結果的に最終日は一般戦回り。脚力を底上げし、持ち前の自在性をさらに磨き、今度は上位戦でも大物食いを演じたい。
「2日目、3日目は、自分は位置取りができないと話が始まらないのに、一番弱いラインが最後方になってしまって、先輩方に申し訳なかった。記念クラスでレベルが上がってくると、本当に隙がないし、位置取りは脚を使ってでもしっかりやらないといけない。突っ張るところと、切るところのメリハリを付けていかないとだめですね。初日も自信にはなったけど、結局は展開が向いただけ。人のスピードをもらえるような展開なら、良いんですけどね。点数も上げていかないとS級にいられないし、今回は本当にもったいなかった。北日本の先輩方がみんなやってきたみたいに、先行してラインを引っ張っていくことも大事だし、内容を意識しつつ、点数も上げていきたい」

野田源一
昨年のオールスターでの落車から、152日間の欠場を経て、野田源一が帰ってきた。復帰3場所目の今回は、初日7着で勝ち上がりを逃したが、最終日には単騎戦でまくり一発を決めて1着。ファンに愛される『単騎の源さん』は、痛みと付き合いながら、ここから調子を上げていく。
「肋間筋の痛みと、左肩の痛みが取れなくて欠場が長引いた。ダッシュする時の、左肩を引く動作をする時に痛みが出てしまうんで、練習でもまだリミッターがかかっている感じはあります。持久力は以前と同じくらいに戻っている感じはするけど、トップスピードが足りてない。体重も少し落ちたし、それを戻して、筋肉量も戻せたら、瞬発力も上がってくるのかなとは思います。今年も久留米記念に呼んでもらえるかは分からないけど、まずはそこをモチベーションにして練習をやっていきたい」

南潤
南潤は、二次予選で古性優作の前回り。古性は、南を「タイトルを獲っててもおかしくない選手。足りないのは自信だけ」と、評する。それを受けて、南はこう話す。
「本当に、自分でもメンタルの課題は大いにあると思います。もともとネガティブなところもあって。自信があるときは、レースに対する不安もないけど、今は練習が普段と違うのもあって自信を持って走れていない。和歌山が改修に入っちゃったんで、街道練習がメインなんですよね。古性さんにも、相談したんですけど、それだと自分の長所の、ダッシュとか、スピードがなくなっちゃうんじゃないかっていうふうに言われました。自分でもそう思ってたし、まだどこかに出稽古に行くとかは決めてないんですけど、練習面についてはこれから考えていかないといけないと思っています」

小林泰正
小林泰正は、初日特選を番手戦で制して好スタートを切ったが、二次予選でまさかの敗退を喫した。今節は、自力と、番手が半々で、前回から投入していた新車の最終確認は済んだ様子。一旦新車は眠らせて、全日本選抜には、以前から使っているフレームで挑むようだ。今節の直前には、同期の中釜章成を頼り、眞杉匠らと岸和田に出向いてトレーニングを積んできた。あとは、全日本選抜に向けて最終調整するだけ。関東の中心選手の一人として、今年最初のG1でどんな走りを見せてくれるか楽しみだ。
「(新車は)すごい流れるフレームなんで、初日みたいな番手戦とか、今日(最終日)みたいな、スピードをもらえる展開の時はすごい楽なんです。ただ、自分で立ち上げるのが相当きつい。全日本選抜には、いつものフレームを持っていきます。G1では、オールマイトで戦っていきたいんで。ただ、フレーム自体は悪いものじゃないし、季節の問題もあると思うので、セッティングをちゃんと出して、練習で脚を上げてから、また使ってみたいと思います。今回は鈴木庸之さんにペダリングを見てもらって、最終日はローラーから言われたことを意識してみたら、レースでは感触が良かった。(奈良記念の)直前は、岸和田で練習させてもらって、いつもやらないようなダッシュ系の練習が多くて、すごい刺激になりましたね。G1までは、佐々木(悠葵)が僕とほぼ同じ日程なので、前橋で一緒に練習して仕上げていきます」