ピックアップ GⅢ 四日市 03/13

太田りゆ
男子はウィナーズカップ出場メンバーが不在なのと、同時開催の大垣G3と戦力が分散して、若手自力選手が活躍できる環境にあったが、終わってみれば、競走得点トップの和田真久留が実力を示した。ガールズケイリンは戦前の予想通り、太田りゆと尾方真生の2強が順当に決勝に進出。優勝した太田のスピードはひときわ輝きを放っていた。
昨年のパリオリンピック後にナショナルチームを卒業した太田りゆ。昨年から公言しているように今年の目標は、ガールズグランプリに出場すること。今回は初めての経験となる4日制を克服し、ガールズグランプリに4年連続出場の尾方真生という強敵を破っての優勝に目標達成に向けて視界は良好だ。
「(初の4日制だったが)競技だと、5日とか6日とか毎日たくさんレースを走る。1日1本で他はないし、食事の心配もしなくていいし、(ナイター開催は)朝、目覚ましをかけなくても起きられる時間。疲労も取れつつ回復していった。(今後は)G1を獲ってグランプリに乗りたい。そうじゃなくても、賞金で乗られるように。(グランプリには)1回も出たことがないので、優勝したいというよりは、まずは出られるように、目標を一つずつできる範囲でこなしていきたい」

黒瀬浩太郎
黒瀬浩太郎は123期を2位で卒業すると、デビュー当時から純粋な脚力ならS級でも通用する逸材として注目を集めていた。PIST6ではS級選手にも引けを取らない走りを見せていたが、〝競輪〟では昨年の12月にS級に特別昇級。今回は初めてのG3参戦で5251着の成績以上に強烈なインパクトを残した。
「(最終日は)G3で初勝利ができてうれしい。しっかり自分の持ち味が出せましたね。(グレードレースは)自信がなかったけど、通用することがわかってよかった。カマシ、まくりしかできないのは課題だけど、ペースが緩めばカマせばいいし、早めに駆けるならまくればいいなと。次は武雄記念でS班が出てくるので、そこで通用するか試したい。今回で点数も上げられたし良かった」

大塚健一郎
大塚健一郎は昨年6月の函館G3で落車して左鎖骨を骨折。約100日後の小松島で復帰したが、そこでも落車をして、今回は5カ月以上の時間が経っての復帰戦となった。最終日に北津留翼を交わしての勝利はカムバック賞に値するだろう。
「現場に来ると、ピリッとしますね。いくら練習しても現場に来ないと、この感覚は味わえない。(体のどこが悪いのかは)もう自分でもわからない。前回は足首を痛めて、慌てて自転車に乗ったけど、これはダメだなと思って休んだ。(次節は地元で)特に地元だからというのはないけど、前回復帰した時も応援してくれるファンがいたので」

柴崎淳
柴崎淳はヒトメタニューモウイルスに感染して、地元地区の中部で行われた豊橋の全日本選抜を欠場になってしまった。呼吸器系の感染症で「肋骨が折れるくらい咳が出た」が今回は復帰戦にも関わらず地元で意地を見せた。今回は連日、人の後ろで、二次予選では3番手も回った。この経験が今後に生きてくるはずだ。
「(最終日は)意外としんどかった。(久しぶりの実戦で)3走してえらかった(きつい)ですね。(地元記念を最初に取ったのは)15年以上前なんですよね。二次予選は田中(大我)君がいて(伊藤)裕貴の後ろだったけど、裕貴には世話になったこともあるし、優勝をさせてもらったこともある。前で頑張ってくれていたから回したんです。(次走の)前橋(G3)はメンバー的にも自分でやりそう。前橋はスピードバンクで嫌いではないし、ダービーも走れることになったんで頑張っていきたい」