ピックアップ GⅢ 川崎 04/19
決勝は犬伏湧也の運行が大きくレースの明暗を左右して、意外なほど単調に流れた。それでも二次予選でバンクレコードを塗りかえた脇本雄太の先行とまくった郡司浩平の攻防は見ごたえがあった。結果は、3番手から仕留めた郡司に軍配。川崎記念初制覇を視界にとらえていた松谷秀幸は、「抜けると思った。ヨッシャって思ったけど、踏み返しがすごかった。(郡司)浩平の意地ですね」と、重圧を背負っての完全Vを遂げた後輩に脱帽だった。

渡口勝成
前回の武雄記念では、一次予選を逃げ切りで白星。しかしながら、渡口勝成は、武雄記念の2日目から今シリーズの3日目までバックを取れずじまい。もどかしい内容にフラストレーションがたまっていたが、それを晴らすように単騎の最終日は大ガマシ。後続を振り切って留飲を下げた。
「(最終日は別線が)モガき合いになると思ったんで、行けるところを逃さないようにでした。(仕掛けて残り)1周半だったんで、あれでダメなら練習をするしかない。(今シリーズは)自分のなかでは動けてなかった。単騎で警戒されてなかったけど、思い切って仕掛けて1着だったんでうれしい。3日間の悔しさを晴らせて、ホーム、バックが取れたのは良かった。武雄でも逃げて1着が取れたんだけど、それが続かない。(ここからも)もう1回しっかりとやっていきたい」

諸橋愛
「41度まで熱が上がって大変でした」。コンディションを崩して休養を余儀なくされた諸橋愛は、今シリーズが1カ月以上ぶりの実戦。「練習は腐るほどやってきた」で迎えた今シリーズは、あくまで次の日本選手権に向けたステップ。レース勘を取り戻すための4走ととらえていただけに、どうだったのか。
「今日(最終日)は感じが良かったけど、絶体絶命でした。(2着にはこられたけど)そこは残念でした。(今シリーズは)8割くらいだったけど、思いのほか動けていた。昨日の準決は、俺が内を見た時には空いてなかった。ダービー(日本選手権)前に失敗しておいて良かった。(今シリーズで)感覚が研ぎ澄まされた感じがあるので、ダービー(日本選手権)で徐々に上げていきたい」

木村弘
木村弘は3場所前のウィナーズカップがビッグ初体験。そこからF1を2場所消化して、今シリーズがウィナーズカップ以来の9車立て。シリーズ3連対と動きの良さが光り、シリーズ唯一の番手回りだった3日目は、仕事をこなして五十嵐綾とワンツー。番手の立ち回りでもアピールした。
「今回はいろんな経験を積めました。昨日(3日目)の(ラインでの)ワンツーは本当にうれしかったし、自力が基本なんですけど、後輩に任せる時は自分のやれることをちゃんとやっていきたい。(自力をやめて)後ろを回って1着を取りたいって思ったら衰退していく。これからもしっかりと脚をつけていきたい。追走の仕方とかは、まだ甘いし、勉強しないといけないことは多いと思います。ヨコは、ほぼ本能で動いていて、体が自然と動いてやっている。それをもっと考えてやれれば。今回は気持ちが入り過ぎていて、フォームがぐちゃぐちゃだった。練習の成果は出ていると思うので、ていねいに修正していきたい」

梶原海斗
一、二次予選は積極策で魅せた梶原海斗だったが、3日目は中野慎詞をまくれずシンガリ惨敗。現状のコンディションをふまえながら、先を見据える。
「(最終日は)ちょっと(組み立てが)隙だらけでした。いまは練習の感じが全然、良くない。A級の人にもまくられるし、なんならチャレンジの人にも。体の調子がずっと悪い。でも、練習は量をやっているんで、とりあえずいまは我慢してですね。(レースでも)苦手なことをやりながらですね。得意なのはカマシですけど、そういうのはここぞっていう時に。次(5月14日からの岐阜)まで空いているので、体を戻すためにも(配分の間隔が空いている時にできる練習を)やろうと思っている」