ピックアップ GⅠ 岐阜 04/25

村田奈穂
ガールズAの優勝は村田奈穂。未勝利での勝ち上がりだったが、決勝は意地を見せた。脳脊髄液減少症を患って、昨年は長期欠場を余儀なくされた。大病を克服して、復活のV。これを足掛かりにして、目指すはG1へのカムバックだ。
「あまり力む動作は良くないらしくて、ウエイト練習を制限しています。なので、練習を工夫して、軽ギアを回したり、あまり負荷がかからないように、病気になる前とは別のメニューを、試し、試しでやっています。それでどこまで行けるか、まだ試行錯誤の段階なんですけど、今回優勝できたので、それが良い方向にいっているのかなって。もう一回G1に出たいです。初めてG1に出て、その後に病気になってしまったので。これをきっかけにして、まだ頑張っていきたいです」

大浦彩瑛
ガールズBを制したのは、126期の大浦彩瑛。ポテンシャルの高さは練習仲間からも一目置かれていたが、自転車競技の経験がなかったこともあり、デビュー当初はレースではなかなか力を発揮できずにいた。それが、走るごとにレースに慣れて、3月当所で初優勝。今節は、持ち味のスピードをアピールしての完全Vだった。伸びしろはたっぷりの逸材が、本格化の兆しを見せた。
「いままでで一番お客さんも多くて、プレッシャーのかかる中で勝てたのは良かったです。(岐阜は2開催連続優勝で)ゲンのいいバンクです。(今シリーズの初日にG1に出たいと目標を掲げていたが)そこを意識しつつ、小さいレースにならないように。予選からもっと強い勝ち方ができるように。師匠(の福田知也)にも言われているので、もっと踏める距離も伸ばしていきたい」

仲澤春香
仲澤春香は、決勝でも力の違いを示して、ガールズCを文句なしの完全V。ナショナルチームに所属する将来の日本代表候補は、G1組と比較しても全くひけを取らない強さを見せつけた。順調にいけば、パールカップでG1初出場が叶う。コンディションをしっかり整えることができれば、そこでいきなりタイトル争いに加わってくるだろう。
「レースの中の判断が遅かったり、まだ課題はたくさんあると思います。強引に行っているだけだし、レースの中での流れの見極めがもっと大事になると思う。G1のレベルは高かったし、自分が走ったらどういうレースになるかなっていうのを想定して、緊張感を持って過ごせました。パールカップには出られると思うので、そこでは頑張りたい。でも、その前に競技の大会もあるし、次の福井(F1)は絶対に完全優勝したいと思っています。福井が終わったら、5月の終わりからジャパントラックカップがあって、競技に関してはまだまだ頑張らないといけないと思っているので。成長はできているけど、今の成長スピードじゃ、オリンピックに間に合わない。頑張らないといけないです」

坂口楓華
坂口楓華は自他共に認める負けず嫌い。これまでは「悔し過ぎて敗戦から目を背けていた」と語る。それが、未勝利の今節を振り返る口調が、落ち着いていた。冷静に敗戦を振り返り、自分に落とし込んで、次の成長につなげていく。誰よりも努力家で、誰よりも負けず嫌い。そこからもう一歩大人になった坂口の、これからに期待したい。
「いい意味でも、悪い意味でも、自分に余裕がありすぎてしまいました。自分のレースをして、自力で勝ち上がるっていうのが課題としてあるなかで、踏むべきところで踏まずに、余力を残して負けてしまっているのが残念でした。昨日(準決)も、もっと車間を切っていれば良かった。ナショナルチームの人は、車間の切り方がうまいし、そこは同期の(太田)りゆちゃんにアドバイスをもらいました。そうやって改善できるところがあるし、初日は佐藤(水菜)さんに負けたけど、大差じゃなかったし、昨日は(梅川)風子さんが相手でも、勝てるチャンスがあるレースだった。そういう意味で、まだまだ伸びしろがあると思っています。今までみたいに、負けてただ悔しいってだけじゃなくて、負けたけど、差が縮まっていると感じられた。こうやって、負けて、負けて、負けて。それを積み重ねて、成長していきたいです」