世界の佐藤水菜が中心

佐藤水菜
準決フリーパスの初日のティアラカップを走る7人をはじめ、ガールズのトップ選手が一堂に会する一戦の本命は佐藤水菜だ。今年は1月立川しか走ってなく、約3カ月ぶりの実戦がいきなりG1となるが、これまでの数々の実績から佐藤に関しては心配無用だろう。走ってなかった期間はナショナルチームの一員として活動。3月にトルコで行われたネーションズカップではケイリンで銅メダル、スプリント予選ではハロンで10秒170という日本記録を更新するタイムを叩き出しており、まだまだ進化は続く。レベルアップが著しいガールズにあってもスピードは図抜けている。包囲網を敷かれようが主役は佐藤。先行でもまくりでもタイミングを逃さず仕掛けられるかだけが勝敗の分かれ目だろう。

坂口楓華
グランプリでの先行策で頂点を狙えるまでに成長した姿をアピールしたのが坂口楓華だ。結果は4着も佐藤を叩いて出てゴール寸前まで粘り込む走りは見事だった。今年に入ってからも26戦で25勝、3着1回と圧倒的なパワーを発揮していて、勢いのまま力を出し切る走りができれば好勝負は必至だ。

久米詩
今年はすでに11場所走って7V。類稀れなタフネスぶりでガールズ戦線をけん引しているのが久米詩だ。長い距離を踏むこともいとわない自力勝負が基本だが、展開に応じて幅広くレースを組み立てられる柔軟性が持ち合わせていて、大レースでも勝負強さを発揮している。組み立てがハマればゴール勝負を演じられよう。
そして、昨年ナショナルチームを卒業した太田りゆと梅川楓子。G1を勝ってグランプリ出場が当面の目標と明確になった2人の全力の走りは見ものだ。ポテンシャルの高さは言わずもがなで、太田はデビューしてからの競走経験の少なさを一戦ごとに埋めていって好結果を残しているし、梅川は怪我明けからスタートした今年は6場所走って一度も負けていない。ともにガールズでは図抜けた快速レーサー。競輪に専念するようになって結果が出してくる条件は整ってきている。
ディフェンディングチャンピオンの児玉碧衣に、尾方真生、小林優香の久留米ガールズもV争いに加わってくるデキだ。中でも注目はやはり児玉だろう。普通開催ではさすがにモノが違うが、モチベーションが上がり切らないままではビッグレースとなると厳しい局面もありそう。ここに照準を合わせて不安のない状態で迎えられるか。
グランプリ女王の石井寛子、今年8場所でV4、準V3回の小林莉子、昨年のG1覇者の石井貴子(千葉)、今年24戦で21回最終バックを奪いV3、準V3回と元気いっぱいな奥井迪、スピードの上がるビッグレースで真価を発揮する吉川美穂らもV戦線を賑わす。