ピックアップ GⅢ 武雄 04/10
山田庸平が、初めての地元記念制覇を完全で決めて、大団円で終わった今大会。兄の英明の欠場は残念だったが、弟の庸平が責務を全うした。シリーズ3勝を挙げたウィナーズカップから、好調ぶりが際立っている。目前に迫った日本選手権でも、快進撃の続きが見たい。
坂田康季
今期S級に昇級し、地元記念初参加だった坂田康季は、初日に中団で下げ切らずに勝負した結果、仕掛けられずに一次予選で勝ち上がりには失敗した。敗者戦では立て直して、3日目、4日目は風を切って2連対。課題を明確にして、レベルアップを誓った。
「駆けだしのところのスピードが課題ですね。昨日(3日目)も、今日も、突っ張れるか、突っ張れないかで全然違う。1月の立川記念で、荒井(崇博)さんに、お前は駆けだしでスピードに乗り切らんなって言われて、アドバイスをもらって、そこからずっと強化してきた。黒瀬(浩太郎)君とか、石原(颯)と勝負になるところまでは来ているんで、もう少しですね。セッティングは金ヶ江(勇気)さんに見てもらってバッチリになりました。(地元記念は)楽しかったです。後半にかけて良くなっていったんで、これを初日からやれていたら走るレースも違ったのかなって悔しさもあります。来年(の地元記念)に向けて、明日から練習を頑張ります」
鷲田幸司
鷲田幸司は、シリーズを通して上々のうごきを見せていた。突然気温が下がり、強風が吹いた最終日は、混戦を味方に上位に進出。苦しいコンディションでこそ輝く持ち味が出た。ただ、今年も苦手な夏場がやってくる。今年こそは、なんとか成績をキープして、年間を通して車券に貢献したい。
「4月に入ってずっと調子が良かったし、今回は4日間気合を入れて走れましたね。これから気温が上がって苦手な季節になってくるんで、対策はしないといけない。毎年言ってるけど、痩せないとですね。去年の秋くらいの時は102キロくらいあって、生きているだけでしんどかった(笑)。今は93キロで、あと5キロくらい落としたい。今回は、寺崎が同部屋で、そのつながりで太田海也君が部屋に来て食生活とかを教えてくれた。さすがに、彼のは厳し過ぎるから無理だけど、少しは参考にしたいですね」
伊藤裕貴
伊藤裕貴は、初日と、最終日の動きが光っていただけに、中日の凡走が悔やまれる。今期は1班ながら、点数は97点台。昨年の落車が尾を引いていたが、状態面の不安が取り除けたのならば、そろそろ巻き返していきたい。
「年末の落車の影響で練習がはかどらなくて、今年の前半は良くなかった。でも、ここ最近は練習がしっかりできるようになって、今回に関しては調子も良かったんです。だけど、2、3日目は自分のミスで力を出し切れなくて、不甲斐ないレースが続いてしまった。最終日は、脚をためて、タイミングをミスせずに出し切ろうと思ってました。つながるレースはできましたね。暖かくなった方が自分は得意ですし、もっと調子を上げていけるように頑張りたいですね」
寺崎浩平
準決勝でまさかの敗退を喫した寺崎浩平だったが、最終日は目の覚めるようなまくりを放って、バンクレコードを更新。明確な課題と、たしかな手応えをつかんだ、有意義なシリーズとなった。今、最もタイトルに近い男が、充実の表情で日本選手権へと向かう。
「セッティングをいじって、4日間で今日(最終日が)一番良い感覚でした。(タイムが出ている感覚は)ありました。サドルを高く感じていたんで、少し下げました。(3日目に)負けたんで、何か変えないとと思っていじりました。あとは、行くべきところで行けるかだけですね。今日に関しても、想定外の並びで、とりあえず切ってと思ったけど、そこから迷ってしまった。(岩本を出させず)駆けても良いタイミングなんですけど。まくりには自信があるし、1着を取れているから良いんですけど、ラインについてもらっている意味がない。ラインで決めたいって思いがあるし、そこは最近良くないです。負けたけど、最終日に自分の強みを出せたし、(日本選手権には)自信を持っていきたいですね」