ピックアップ GⅢ 西武園 08/28
一昨年、オールスターで初タイトルに輝いたバンクで眞杉匠が、西武園記念を連覇。昨年は5車が結束した地元勢と別線。今年も4車の地元勢と分かれて、単騎になってのまくりVだった。年末のグランプリは獲得賞金でほぼ出場を確定させている眞杉にとっては、G1のない9月にあっ旋がないのはせめてもの幸い。「23年の後半、オールスターを獲ったあたりですかね。その時にできていたことができなくっている」と、まだまだ現状に満足することなく、自身の追い求める理想型になって、10月の京王閣記念でカムバックする。

森田一郎
昨年10月に特進でS級にステージを上げた森田一郎が、大宮も含めて初めての地元記念を経験。5月京王閣の最終日に落車に見舞われて、2カ月以上のブランクがあり、今シリーズが復帰2場所目。「(怪我をする前の)宇都宮と比べても、脚は落ちている」と、言ったものの、十分に存在感をアピール。4日間すべてバックを取り切り、予選は先行策で連勝。準決でもレースを支配して、地元の先輩、森田優弥、宿口陽一を決勝に乗せた。
「(シリーズを振り返り)準決までは内容を重視して、勝ち上がらないとダメだと思っていた。(準決では兄デシの森田優と初連係となり)一緒に連係することを目標に練習していた。結果的に準決は、森田(優)さんがうまくやってくれただけですね。最終日は(決勝の)先輩方につながるようにと思って走ったんですけど、気持ちの入り方とかが良くなくて、選手としてもアスリートとしてもダメでした。(今後は)特別競輪(G1、2)の決勝に乗ることが目標です。まだまだ力は足りないけど、先輩方にアドバイスをもらってやっていきたい」

山本伸一
シリーズ2勝をマークした山本伸一だったが、一次予選を8着で敗退。3日目にもシンガリ負けを喫しているように、満足できるにはほど遠い4日間だった。
「自分の調子は(シリーズを通して)良くなかった。自転車もあると思うけど、体もなじんでない。やり直しですね。長いスパンで見つめ直さないと。(3日目が終わって)昨日の夜は南(修二)さんと一晩中、話をさせてもらった。いまの自分に足りないものが多すぎる。そこを1個ずつうめていきたい。このままだと107点、108点の選手で終わってしまう。(足りないものを)どのタイミングでつかめるかはわからない。けど、急につかむこともあるし、その瞬間をあきらめずに追いかけていきたい」

川越勇星
川越勇星は、落車による右肩の肩鎖関節の脱きゅうで3カ月の長期欠場を余儀なくされた。復帰場所の今シリーズは、6着。
「(2日目はまくりに行って)入り切らなかったけど、最後まで踏めている。勝ち切れなかったのは悔しいけど、復帰戦にしては平常心でやれているかなって思います。初日もいい位置が取れて、そこから仕掛けられた。気持ちは出せたし、弱気なレースはしていない。2カ月くらいなにもしてなかったんで、脚はしょうがない。走りながら戻すしかない。競輪では、怪我に強い選手が(本当の意味で)強い選手だと思っている。自分も精いっぱいやって、また上位の人たちと戦えるように」

鈴木伸之
今期、16年以来のS級に返り咲いた鈴木伸之は、9着でシリーズ2連対。3日目には混戦になるとまくりを繰り出し、徐々にその感覚を取り戻していった。
「初日は9車立てが久しぶりだったんで、うまく走れなかった。けど、だんだんと慣れてきた。2日目に失敗もしていたし、(3日目の1着も含めて)落ち着いて走らないとって感じです。位置がないのもわかっているんで、(練習でも)タテ(脚)は磨いている。タテがあれば(メンバー構成とか)位置のことで、文句を言わないで走れる。出るかはわからないけど、これからもタテは狙っていきます」