ピックアップ GⅢ 四日市 10/31
SS班5名に加えて、今年の新タイトルホルダー2名が参加。超豪華メンバーが顔をそろえた今節は、落車事故が一度もなく幕を閉じた。4日間の総売り上げは79億9111万8200円。今年度のG3最高売り上げを記録した。トップレーサーによる、ハイレベルでクリーンなレースが、ファンの支持を集めた。
深谷知広
深谷知広は、初日特選で先行して9着大敗。2日目はセッティングに修正を施して逃げ切りを決めたが、準決は別線を叩き切れずに敗退してしまい、大きな賞金加算はできなかった。賞金ランキング9位で迎える競輪祭は、まさに正念場。そこまでの2週間で、どれだけ上積みを作れるか。
「やっぱり準優で失敗していますし、今回は良くなかった。9位ですけど、圏外から優勝されたら終わりですし、(競輪祭は)自分が優勝するつもりで、あと2週間コンディションを整えたい。前橋で付け焼刃で変えたセッティングが良くなくて、それで今回は初日が終わってセッティングを戻した。まだズレはあると思うので、そこも調整したい」
鈴木陸来
鈴木陸来は、今年5月に練習中の落車で鎖骨骨折に見舞われて、7月川崎F1で復帰したもの、ここまで本来の動きには程遠かった。それが、今節は初日に高回転のまくりを放って復調を感じさせると、3日目、最終日は敗者戦を2連勝。長いトンネルを抜けた感じがある。
「感触も今日(最終日)は良くて、(最終)2センターで出切れるなって思えた。調子が悪いと、そう思うこともないですからね。(前期の)A級でも勝ちっぱぐれてる状態で、(練習中の落車で)鎖骨を折って、1勝もできないし、一般戦ばっかり走ってた。その時も我慢しながら練習はずっとやってたし、理由が理由だからしょうがないと思ってても、やっぱり割り切れなかった。負け戦ですけど、2勝できて良かったです。まだ鎖骨にプレートが入っているし、年内は除去する予定もない。違和感はあるし、まだ我慢の時期ではあると思う。耐えながら、また点数を上げていきたい」
森田優弥
今節の森田優弥は、4日間最終バックを取り切る超力走。勢いに乗る関東勢のなかで置いていかれまいと、明確に課題を持って力勝負に徹底した。準決勝は、犬伏湧也のカマシを突っ張り切り、決勝まであと一歩の4着と、内容はピカイチだった。今節から乗り換えたフレームがさらに噛み合えば、競輪祭ではダークホースになりえる。
「(最終日)特選を見てても、SSの人はかっこいいレースをしていましたし、自分もそういうレースをしたかった。(今節使った自転車は)西武園記念の初日に使った自転車なんですけど、その時はセッティングが悪すぎてすぐに使うのをやめちゃった。それをセッティングをいじって持ってきました。開催中もサドル周りをいじったんですけど、結局元に戻した感じです。もうちょっといじれるところがあると思うし、そこは帰って煮詰めたい。競輪祭にも多分この自転車を持っていくと思います」
鈴木竜士
京王閣記念で落車した鈴木竜士は、その後の練習中にもアクシデントに見舞われて、今節が復帰戦だった。初日は練習仲間の武田亮にも前を任せず、開催を通して自力を貫いた。準決は、深谷知広を突っ張って風を切ったが9着。最終日は、先行でラインワンツーを決めた。
「昨日(3日目)のレースで自分の弱点が改めて分かった。今日はしっかりバックを取るレースをしようと思っていました。4日間の中では感触は一番良かった。(今回から新しくした)自転車に関しても今日が一番でした。毎回、腹をくくって勝負をしていかないと、チャンスが回ってきたときに獲れない。(吉田)拓矢や、眞杉(匠)の前を回ったときも、ああいうレースができないと思う。どんなレースでもしっかりやっていかないと意味がない」